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    2012年05月18日

    黄昏の時代の投資家

    フランスの次期大統領、オランド氏、大統領選のさなか、彼がサルコジ現大統領を上回る票を得たという(決選投票前の)時点で世界中の株価は下げた。

    メディアが伝える彼の言動を見る限り、我が国の民主党が与党となったときと同じにおいを感じる点、やや不安である。すなわちその公約の現実味は薄い。

    緊縮財政ではだめだ。フランスは成長を果たす。同時に財政も立て直す。そんな彼をフランスの有権者51%が支持した。

    僕の好きな宮城谷昌光の小説にはしばしば「民意は天意」という表現が出てきて、その言葉が僕は好きなのだけれど、現実問題として、それを頭から信じることはできない。

    長期的にはそういってもいいのかもしれないが、短期的には愚かしいことも平気でやるのが民意ではないか。その点、市場の機能に似ている。

    そういえばオランド氏も、民主党から出た最初の首相と姓のイニシアルは同じHである(嫌な符号)。

    たぶん、フランスの財政は不安視され、フランスの国債は下落(金利は上昇)、欧州債務危機はいっそう混迷の度合いを増し、ECBはもっとお札を刷らざるを得ない羽目になるのだろう。

    経済規模に比べてユーロ通貨の流通量はさらに膨れ上がり、お金はあるけどどこに行ったらいいのか分からないといった状況はさらに深まり、株価の変動はいっそう激しくなり、財政不安による金利高と、リスクオフの流れから来る安全性への逃避=国債バブル(金利安)とが危うい均衡をなし、なにがなにやら、という状況がしばらく続くのではないか。

    つくづく株式に投資する者にとっては黄昏の時代である。

    この状況はまだまだ続く、と見ておいた方がいい。20年間投資しし続ける覚悟があって初めて株式に投資することは可、ということだろう。

    とはいえ、長期的にはやはり民意は天意である。長期の視点で眺めてみれば人間の集合体はきわめて賢明な判断を下すはずだ(そう信じる)。

    ならば20年間投資し続ける覚悟を持った投資家にとって、今この株価水準を見るに、銘柄(会社)によってはバーゲン価格であるという見方も不自然ではない。

    【結論】
    覚悟なくして株式投資は不可の時代である。

    初出: 楽しい投資研究所 in Google+ 2012/05/14
    https://plus.google.com/b/114142636039213080532/114142636039213080532/posts
    posted by ばへっと at 10:36| Comment(0) | 気になるニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    やれることやるしかないので

    フランスが心配だ、ギリシャが心配だ、そもそもうちの国からして借金の大きさは世界一だ、こっちが一番心配だ、などといっていてもなにも始まらないので、今の自分にできることをやるだけである。

    「何をやるか」には「何をやらないか」、も含まれる。こと投資に関しては特に、何事かをいかに適切にやるか以上に、やるべきでないことをやらずにいるかの方が大切であるように思う。

    いかにやらないか。無為自然とはこういうことだろうか、それともバブル崩壊後の失われた20年を生きたせいでトラウマでも染み着いてしまったがゆえの思考様式だろうか。

    いずれにせよ、物事にはいつでもどんなことにでも、ポジティブな面とネガティブな面が併存しているはずなので、心配するのはそういうのが仕事と考えているメディアに任せ、自身の影響力の及ぶ範囲の事柄にのみ意を注ぐのが正しいと信じる。

    なので、今世の中で起きていること、起こりつつあることを、ありのままに理解できるよう今日も努める。あと少しでも世の人々のためになるような仕事ができるよう、自分を磨く。

    初出 Google+ 2012/05/15
    https://plus.google.com/114075077668576642663/posts
    posted by ばへっと at 10:32| Comment(0) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年04月08日

    メッセージご紹介「企業は人に帰結する」

    楽しい投資研究所がお送りしているラジオ"楽しい投資 Podcast" のリスナーの方(かつ読者の方)から
    メッセージをいただきました。
    嬉しいです。ご紹介いたします。

    楽しい投資 Podcast (インターネットラジオ)
    http://1tpc.up.seesaa.net/

    書籍「バフェットの謎」
    http://amzn.to/m8lozc

    ---リスナーの方からのメッセージ---
    いつもポッドキャストを聞かせて頂いてます。

    本はまだ読み終わってないので勝手ながらポッドキャストの感想を書かせてもらいます。

    毎日車の中で今までの放送分を聞いてます。

    私はたこ焼き屋を経営しているのですが、投資家の方から見る企業、経営者という視点がとても面白く勉強になります。

    オリンパス、大王製紙の放送の回の「企業は人に帰結する」という言葉深く心に刻みつけております。

    これからも楽しみにしております。

    (大阪府 三〇代 男性 K.K.さま)2012.4.8


    ---ご返信---
    はじめまして。メッセージをありがとうございます。庄司です。

    ポッドキャストのご感想もありがとうございます。お送りしている側として、とても嬉しく、勇気づけられます。

    聴いて楽しくためになる、ような内容のポッドキャストをお届けできたらいいなあと考えて収録しているのですが(それだけでも楽しいのですが)、たまに迷うのです。これでいいのかしらと。

    K.K.さんのメッセージに背中を押して頂けたような気持ちになりました。

    これからもお役に立てるような内容をお届けできるよう精進してまいります。温かなお言葉を、本当にありがとうございました。

    庄司卓矢

    P.S. 大阪のたこ焼きはとてもおいしくて私も大好きです。蔭ながら応援しております。
    posted by ばへっと at 13:49| Comment(0) | 読者さんご感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年03月31日

    メールマガジン「お金になる英語」配信しました

    Alles Gute. 楽しい投資研究所の庄司です。

    ちょっと前、Google+ に楽しい投資研究所の出張所を設けました。
    たとえばこんな、投資に関するコラムを書いています。
    ---
    オリンパスの株主が、株価下落で損害を被ったとしてオリンパスに損害賠償を請求。
    仮に勝ったとして、株主が株主に賠償金を支払うという、ぐるぐる回る形になるのだろ
    うか。
    [オリンパス株主の集団訴訟。株主が会社を訴えるということ]
     ※続きはこちらから。 http://bit.ly/HwqHVz
    ---
    よろしければご覧ください。
    さて、今回のテーマは「胃の痛い監査人」です。
    本編をどうぞ。

    * 中国企業の決算と、胃の痛い監査人 *
    [Financial Times, March 26 2011]
    (記事概略)
    12月決算中国企業の決算発表の期日(3月末日)を控え、監査人が受けるプレッシャー
    が強まっている。不正がおそろしい。

    大手会計事務所デロイト トウシュ トーマツは、ここ2週間で、香港に上場する中国
    企業2社(子供服メーカーのBoshiwa Internationalと、粉ミルクメーカー Daqing
    Dairy Holdings)の監査人を辞任した。

    監査人による辞任は極めてまれな出来事であり、投資家はこれを赤信号と受け止めた。
    デロイトの辞任後、取引停止までの間にBoshiwa社の株価は36%下落した。

    昨年、デロイトはLongtop社の監査人を辞任してもいる。同社は昨年8月にニューヨーク
    証券取引所を上場廃止となった。

    監査証拠が偽造される恐れも高まっている。多くの監査人は昨年、銀行確認状を郵送で
    受け取ることをやめた。代わりに直接銀行へ赴き、確認状を直接受け取ることにしたの
    である。

    comment
    最近、大手会計事務所のデロイトは、香港証券市場に上場する中国企業2社の監査人を
    立て続けに辞任した。監査意見を付すのがおそろしいがためである。

    油断しようものなら、とんでもない内容の財務諸表(粉飾された決算書)にサインさせ
    られてしまう。そういう実績(前科)があるからこそ、監査する側も戦々恐々とならざ
    るをえない。

    "The Bloomberg China Reverse Merger index" という興味深い指数がある。

    上場企業を買収する形で、正規の上場審査を経ることなく、上場企業の地位を手に入れ
    た、いわゆる「裏口上場」をなした中小の中国企業86社から成る株価指数である。

    この株価指数、2010年初頭から△67%という下落を見せている。これら企業群のPER水
    準は4.6倍。S&P500採用企業群のPER水準が14.4倍であることを考えれば、かなりのもの
    である。

    信用の差が数字に表れている。市場の評価額を観る限り、中国企業群の信用度は低い。
    良くいえば伸びしろがあるともいえるが、今はどの企業が投資適格といえるのか、僕に
    はとんと分からない。

    なので、現段階で中国企業に投資しようとは思わない。
    ただ、次の世代が経営トップに立つ頃、中国企業群の本当の恐ろしさを僕たちは感じる
    ことになるのではないか、とは思っている。

    ※楽しい投資研究所のメールマガジン。登録はこちらからどうぞ。
    http://www.1toushi.com/mailmag/

    ※バックナンバーはこちらから。
    http://archive.mag2.com/0000158260/
    posted by ばへっと at 15:35| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    オリンパス株主の集団訴訟。株主が会社を訴えるということ

    オリンパスの株主が、株価下落で損害を被ったとしてオリンパスに損害賠償を請求。仮に勝ったとして、株主が株主に賠償金を支払うという、ぐるぐる回る形になるのだろうか。

    訴訟費用(主に弁護士報酬か)と、訴訟に対応するためのヒト・モノ・カネといった経営資源がコストとして(ビジネスではなく訴訟対応に)失われる。訴えるべきは粉飾を行った経営者であって、会社そのものではない。


    株主が自身の個人的損失を取り返そうとして、いっそう株主として保有している価値を損なってしまうケースとなる可能性が高い。

    すでに売却済みの元株主にとっては関係のない事柄であるからして、こちらは既存株主の価値をいかに奪い取るかということになってしまう。


    気持ちは分かる。気の毒ではある。しかしそういう経営者を雇っていたのは株主自身である。株主個々人がそれぞれの意図を直接的に反映させることは難しいかもしれないが、株主全体という集合体としての責任である。

    株式に投資するということは、こういうリスク込みでの意思決定であると認識しておかねばならない。
    誠実な経営者という存在のなんと貴重なことか。株主はこの一点を命懸けで見極めねばならないということだろう。


    ※参考記事
    「株価急落で損害」オリンパス株主が集団提訴 計3億7400万円 東京地裁 2012.3.28 19:11
    http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120328/trl12032819130002-n1.htm


    初出 楽しい投資研究所 in Google+ - 2012/03/29
    https://plus.google.com/b/114142636039213080532/114142636039213080532/posts/Hz6jsHrhYEd
    posted by ばへっと at 13:18| Comment(0) | 気になるニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年03月20日

    ハイリスク・ローリターンの悪夢。その先にあるもの

    1990年代、日本の株式に投資した者は、日本国債に投資した場合に比べて年率平均6%強、高い利回りを得ることができた。株式に投資した者はリスクに応じた高いリターンを手に入れたことになる。いわゆるリスク・プレミアムである。

    これが2000年代に入ると、状況は一変する。2011年までの12年間、株式に投資した者の利回りは、国債に投資した場合に比べて年率平均7%下回る結果となった(日本だけでなく世界的な傾向)。ハイリスク、ローリターン。悪夢のディケイドといえよう。

    振り返ってみれば2000年代も前半は良かったのだ。後半に入ってバブルがはじけ、世界中が委縮した結果、リスク回避が世界の潮流となった。株式は忌避され株価は下落。株式に投資する者にとっては、リスクとリターンが対応しない不合理な時期である。

    さらにさかのぼって1980年代の日本を思い出してみれば、株バブル、土地バブルの全盛期である。PER100倍というとんでもない株価を付けた会社も少なくなかった。株価の上昇で大きな利回りを得られたわけだが、背負ったリスクに対して過大なリターンがもたらされた時代といえる。

    今にして思えば前受けリターンである。大きすぎるリターンは返すことを強制される。
    その後、バブルの崩壊という形で振り戻しが起こった。引力がはたらく。ふれすぎた振り子は戻る。

    次の10年はどう動くのか?歴史が教えることは、一時は不合理な時期があったとしても、結局、合理的な水準に落ち着くというもの。

    後になってみなければ分からないことではあるけれども、最悪に思えた時期が、投資を始めるには最善の時機となるのはいつものことである。


    初出:2012.3.19 Sun 「楽しい投資研究所 in Google+」 
    https://plus.google.com/u/0/114142636039213080532/up/start/#114142636039213080532/posts

    posted by ばへっと at 16:25| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年03月18日

    トップガンの思い出

    ※投資とは全く関係のないお話です。
    楽しい投資研究所の「隠し部屋」より

    [戦闘機とミサイルと女性上官]

    中学生の頃、従兄に連れていってもらったこの映画「トップガン」。トム・クルーズの出世作である。メグ・ライアンもチョイ役で出ている。
    ヒロイン役のケリー・マクギリスはきれいだった。トム・クルーズ演じるマーヴェリックは上官の彼女と恋仲になる。

    上司の女性とのラヴアフェア。そういえばア・フュー・グッドメンでもヒロインのデミ・ムーアはトム・クルーズの上官だった。そういうはまり役だったのであろう。男にとって憧れのシチュエーションだとでもいうのだろうか。まぁわからぬでもない。

    それはさておきトップガンである。海軍エリートパイロットの映画であるからして、戦闘機がガンガン飛んで、ミサイル発射。中学生男子にとってドーパミンが脳に満ちあふれるような映画であった。
    音楽もまたいいのだ。ケニー・ロギンスの Danger Zone, ラリー・グリーンの Through the fire, 深夜のベストヒットUSAでも観たりしてた。

    個人的にグレーな色合いの時代ではあったのだが、その映像記憶は色鮮やかである。たぶん楽しかったのだろう。


    [よみがえる記憶]

    時は過ぎて大学4年の春、僕は会計学のゼミに所属していて、よし一丁、公認会計士試験でも受けて通って、会計士として生きていこう、と心に決めた頃である。
    仙台のアパートでぼんやりしていたところ、某航空会社の採用担当者から電話があった。

    「パイロットになりませんか?」

    よみがえるトップガンの記憶、空を疾駆する航空機、上官とのロマンス。僕は即答した。「なりましょう」

    ではとりあえず試験を受けてください、と航空会社。仙台で行われた筆記試験は普通に通った。次は面接と心理検査である。交通費、宿泊費の支給を受けて羽田へ向かった。

    空港のラウンジから飛行機の離発着を眺めながら、僕は思った。来年からここが俺の職場か。
    そんな感慨にふけりつつ、仙台に帰った。

    しかしその後、待てど暮らせど航空会社からの連絡はなかった。さようなら僕のトップガン。
    一瞬見た春の夜の夢の如き思い出である。

    topgundvd.jpg
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004MKN3SA/katteshohyo-22
    posted by ばへっと at 18:41| Comment(0) | 近況報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年03月09日

    ある投資家と祈りの実験のこと

    ジョン・テンプルトンという投資家がいた。

    ファンド ビジネスで成功している。
    グローバルな分散投資を行うファンドの草分け的存在であり、1960年代、日産や日立などの日本企業にも投資したことが知られている。

    信仰心篤く、精神性を重視し、慈善活動家としても知られる彼は、ジョン・テンプルトン財団を設立した。

    5〜6年前の話、アメリカで、祈りは病気の治療に有用なのかという研究がなされた。その研究資金を提供したのがこの財団である。

    研究内容は、手術に臨む心臓病患者が合併症にかからぬように、と第三者が祈り、その効果ありやなしやを見極めるというもの。

    そのような研究に資金を提供するのもすごいと思うが、その結果、祈りは無益、というかどちらかといえば有害、という研究報告がなされたのも興味深い。

    自分が祈られていることを知っていた患者の59%が術後30日以内に合併症を引き起こし、知らされていない患者の52%を上回った。
    posted by ばへっと at 17:56| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年02月26日

    バフェットと白圭

    バークシャー ハサウェイ社の株主にとって、最大の関心事(というか懸念事項)はCEOバフェット氏の後継者問題である。

    実際バフェット氏も歳である。1930年8月30日生まれの81歳。アメリカ人の平均寿命(78歳)はとっくに過ぎている。

    だからであろう、最新の株主への手紙の内容も、後継者問題への対応状況が、第一の報告事項であった。

    とはいえ、

    ・今の仕事は楽しいので近々辞めるなんてつもりはまったくない。
    ・が、万が一のことを考えて対策は取っておかなければならないことは分かっている。
    ・次のCEO候補はすでにいる。
    ・万一の場合に備えて、仮に明日、誰かが私の後を継がなくてはならない状況になったとしても問題はない(だからご心配なく!)

    こういうことをこのところ毎年、バフェット氏は書いているのではないか。

    そしてメディアも毎年、同様の内容を報道している、ような気がする。

    しかし、そういわれても心配なものは心配である、というのがバークシャー株主諸氏の声である。

    たしかにウォーレン バフェットとは、実にユニークで、深みを感じさせてくれる人物なので、長生きしてほしいとは思う。
    しかし人間いつかは死ぬ。
    なので、今のうちに、彼から学べるものを貪欲に吸収しておきたい、と僕は思っている。

    ところで最近、宮城谷昌光という作家の本を良く読んでいるのだが、氏の作品のなかに、白圭という人物が登場する。
    古代の中国、戦国時代に生きた周の商人で、投機で財を成し、治水事業を通じて利を社会還元した人物である。

    白圭(元の名を風洪という)の逸話を読むにつけ、バフェット氏を連想してしまうのである。
    posted by ばへっと at 23:10| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年02月14日

    企業の信用度とPER(株価収益率)

    PER(株価収益率)の水準は、国によって異なるものらしい。

    日本(日経平均)はおおむね20倍。日経平均に採用されている225の会社の価値は、だいたい利益の20倍程度と市場から評価されていることになる。

    アジアの証券市場の中で日本が一番高い。次いでインド(BSE)の15倍超。そしてフィリピン、台湾、シンガポールと続く。

    その目を韓国(KOSPI)に転じてみれば、その値は意外や10倍を下回る。
    利益の額は同じでも、日本企業は韓国企業の倍の値を付けられているようなものだ。

    英The Economist誌はこの現状を、韓国企業の信用の問題であり、その原因はコーポレート ガバナンスの水準にあると見ている。

    韓国では少数株主の負担の元に、大株主の利益が謀られる例が少なくないと聞く。

    同族支配の企業において、支配株主、経営者による恣意的な利益移転がなされるかもしれないという懸念が、企業価値評価にネガティブな影響を与えている。

    韓国企業に押され気味の日本企業、という印象が強かったが、市場の目を通じて眺めてみれば、まるで違った風景が見えてくることもあるという話。
    posted by ばへっと at 17:17| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2012年02月12日

    バフェットの原則堅持と頑固じじいであること

    バフェット氏がForbesに寄稿している。 http://bit.ly/wyNvAN

    「投資を改めて定義してみよう。投資とは将来より大きな購買力を手にするために今の購買力を他者に移転する行為である。もっと簡潔にいうならば投資とは後日、より大きく消費するために今の消費を控えることである」

    バフェットの論は「株式への投資が金(ゴールド)や債券への投資に勝る理由」。
    結論として金は何ら価値を生み出すものではない。鉱物である。
    しかし現実問題として、金の価格は急上昇してきている。
    人は惑うし僕も惑う。やっぱり金買っておくべきだったか、などと。

    バフェット氏の主張は僕の知る限り、いつも一貫している。
    ある意味頑固じじいである。
    投資家としての原則を堅持しており、環境がどうあれ揺らぐことが無いのだ(と僕には見える)。

    揺るぎない姿勢が大きな成果をもたらした、といえるのかもしれない。
    吟味して立てた原則には頑固であるべきなんだ。
    posted by ばへっと at 07:48| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年11月12日

    バブル崩壊の亡霊とオリンパス

    先週に引き続き、オリンパスで起きている出来事をテーマにお届けいたします。

    今回は、告発し、解任された前社長マイケル・ウッドフォード氏について。
    また、オリンパスが他社と持ち合っている株式(持合株式)の状況について。
    そして、バブル崩壊の亡霊が今なお潜んでいた驚きの事実について、取り上げます。


    聞けば、法人個人を問わず、オリンパスには熱烈なファンが多いのです。

    せっかく優れたブランドや技術力を有しているのに、いまや株価は大幅に下落。
    解任騒動前の4分の1に下げてなお下げ止まる気配が見えない。
    そして上場廃止も現実味を帯びてきました。


    どんなに優れた力を持つ企業でも、その頭に立つ人物、リーダーたる経営者が不誠実では誰も信用しません。
    企業価値は信用を土台とします。企業価値とは結局のところ人に帰結するのです。

    私たち投資家は、製品や技術力以上に、経営者という人物に注目しなければならないのでしょう。


    あなたの投資の意思決定、また知的生産活動の一助になれたら幸いです。

    楽しい投資Podcast、今回も、お送りしている本人が一番楽しみながら、お届けします。


    庄司
    楽しい投資研究所

    追伸:
    やはりマイクスタンドは偉大です。つくづく良い買い物をしました。
    丸亀製麺の釜揚げうどんも偉大です。近況報告でした。


    ※iTunesにご登録いただいている方はどうぞ更新ボタンをクリックしてお聴きください。


    音源のMP3ファイルはこちらからどうぞ。
    □音源データ MP3(ダウンロードして聴く)
    http://1tpc.up.seesaa.net/image/toushiOrympus2_111112a.mp3
    (8MB)
    ※保存方法: 右クリック >> 名前をつけて保存


    あなたの知的生産活動の一助になれたら、幸いです。愛を込めて。

    ---
    □"楽しい投資Podcast"を iTunes に登録する方法

    1.音楽再生ソフトをインストールし、起動する。
    推奨ソフト:iTunes(ダウンロードサイト(無料)はこちら)
    http://www.apple.com/jp/itunes/download/

    2.こちらのリンク >> http://1tpc.seesaa.net/index20.rdf
    を、iTunesなどの(ポッドキャスティング対応)音楽再生ソフトに
    ドラッグ&ドロップして下さい。(完了)

    もしくは・・・

    1.iTunesをインストールし、起動する。
    2.メニュー・バーの「詳細設定(A)」をクリック。
    3.「ポッドキャストを登録」をクリック。
    4.「ポッドキャストを登録」画面に次のURLをコピーして貼り付ける。
    http://1tpc.seesaa.net/index20.rdf
    5.「OK」をクリック。(完了)

    posted by ばへっと at 09:47| Comment(0) | ラジオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年10月17日

    大王製紙の会長辞任。関連当事者情報に見るスキャンダルの兆候

    ・出来事

    2011年9月、大王製紙の会長が辞任した。
    会長が、同社の子会社から巨額の借り入れを行っており、資金の使途も不明。

    これが問題視され、引責辞任となった。同社の社長は刑事告訴を検討中とのこと。


    ・兆候の察知

    さて、いち投資家として気になるのは、こういうスキャンダルは事前に察知できなかったのか?ということ

    結論からいえば、兆候はすでにあった。あやしむべき情報は6月の時点ですでに公表されていた。具体的には、有価証券報告書における情報開示である。


    ・どこから分かるのか?

    具体的には、大王製紙の、2011年3月期 有価証券報告書をご覧いただきたい。

    ※こちらから入手できる(第100期の有報)。
    http://www.daio-paper.co.jp/ir/library/yuho/


    今回の注目ポイントは、注記情報のひとつ、「関連当事者情報」である。

    ここに記される情報とは、会社の意志決定に重要な影響力を持つ存在と会社との間の取引。「関連当事者」とは、ここでいう重要な影響力を持つ人々のこと。


    このような情報の開示が強制されるようになった主な理由は、株主と関連当事者との間に利害の不一致が存在するため。
    株式会社制度には、もとからこういう利害の不一致が伴うものだったが、平成20年4月以降開始の年度から、新たな会計基準のもと、より詳細な情報開示が求められるようになった。


    たとえば、会社役員の個人的な利益と、株主の利益は必ずしも一致しない。
    そこで、会社に重要な影響力を持つ人々とどのような取引がなされたかという情報を開示対象とすることで、彼らに対する牽制効果が期待できる。

    また同時に、この会社はこういう取引をしていますよ、投資するときは、このことをきちんと理解した上でどうぞ、ということでもある。


    今回辞任した前会長(当時社長)は、当然、関連当事者に該当する。

    具体的にはH23/3期 有報の71ページ「連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引」と題された表をご覧いただきたい。

    同社の代表取締役社長(当時)に対して「資金の貸付」23億円が実行されたことと、同額が短期貸付金として連結貸借対照表に反映されていることが、見て取れる。


    ・教訓

    前期決算日時点では、社長に対する貸付残高は23億円であった。その後の報道を見るに、4月以降、追加の融資が行われ、9月の貸付残高は55億円に膨らんでいたと聞く。

    ※四半期報告書においては(残念ながら)、関連当事者情報の開示は強制されないため、4月以降の融資について同社の決算書から読み取ることはできない。


    大王製紙の純資産残高は1,296億円。3月末時点でその2%に相当する貸し付けが社長個人に対してなされている(9月時点では4%に相当。一時は80億円に上ったというのだから、会社の規模から考えてもかなりの額である)。

    このことを、投資家は把握しておかねばならないということでもある。その情報は開示されているのだから。


    経営者の倫理意識は会社の価値すなわち株式価値に直結する。会社の価値とは結局のところ人に帰結するので。


    今回取り上げた決算情報は、ある意味、経営者として大胆な情報開示ではある(会社から多額の借り入れがある、などと公言したい経営者はそうそういない)。貴重な事例といえよう。

    これを機に、関連当事者情報というひとつの決算情報に、いっそう注目が集まるのではないか。少なくともこのメルマガ読者の方には注目していただきたい、と思っている。


    ※当記事は 2011.10.17配信のメルマガ「投資家さん、会計の勉強しませんか?」に掲載されたものです。
    楽しい投資研究所のメールマガジンはこちら >> http://bit.ly/pFr1e1
    posted by ばへっと at 17:52| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年10月14日

    財務諸表とその裏に隠されたストーリー

    嬉しいメッセージをいただいた。ご紹介させていただく。

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    「USEN決算発表」のキーワードで検索して、主催者様のブログ(※楽しい投資ばへっとブログ)にたどり着きました。

    それを読んでとても面白く感じて・・・財務諸表(その裏に隠されたストーリー)を読み解けるようになったら小説よりもかなり面白いのではないか???と思いました。

    他の方からも要望があがっていましたが、私も財務諸表の読み解き方を指南した本を書いていただきたいです。
    (さくらさん 大阪府 五〇代 女性)
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    財務諸表とその裏に隠されたストーリー、まさに今、私が書こうとしているものです。

    いずれ本にして世に出したいと思っているテーマそのものをズバリ、メッセージとしていただけて、とても嬉しい。

    そうなんです。財務諸表を読み解くこととは、今を生きる企業のストーリーを、生々しく、ありのままに読み解くことそそのものなんです。これが面白くないはずありません(あなたのいうとおり!)。

    これからはメールマガジンでも一層、「ストーリーで読み解く財務諸表」というテーマを意識して、書いていきたいと思いました。
    嬉しいメッセージをありがとうございました。(庄司)

    posted by ばへっと at 22:35| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年09月27日

    バークシャーハサウェイ初の自社株買い

    バフェット氏がコントロールするバークシャーハサウェイが、初の自社株買い計画を発表。
    一株当たり純資産の+10%プレミアム以内ならば自社株買いを行う方針とのこと。

    バークシャーのキャッシュ残高(連結ベース)は少なくとも200憶ドルを維持する。現在のバークシャーが手にするキャッシュは770億ドル程度と見込まれているので、自社株買い用資金は570億程度。

    上手な自社株買いは何ら生産活動を伴わなくとも、株主価値を高める。

    バークシャーの直近四半期決算(2nd Qtr)を見るに、2011年6月末のクラスA株換算ベースの発行済み株式総数は1,651,273株。
    自己資本は1,630億ドル。

    ということは、一株当たり自己資本は98,716ドル。
    これに10%のプレミアムを加えれば108,588ドルになる。

    バフェット氏はじめバークシャーの経営陣は、この程度の株価水準ならば十分に(自社バークシャー株は)割安と考えていることになる。

    さて現在の株価はといえば、108,449ドル。

    なるほど市場はバフェットの自社株評価額に強い信頼を寄せている。

    ※注PDF http://www.berkshirehathaway.com/qtrly/2ndqtr11.pdf
    posted by ばへっと at 22:47| Comment(1) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年07月01日

    瀬戸際のギリシャ

    国債償還期限が到来したのにお金ないです、というデフォルト(債務不履行)の瀬戸際にいたギリシャ。

    (増税、歳出削減、国営企業の民営化の)緊縮財政法案が議会で可決されたことにより、一息つくことができた。これでIMFやEUから資金面での支援を受けられるめどが立った。

    ギリシャにお金を貸しても返してくれないとなったらギリシャ国債価格は暴落、そうなればギリシャ国債を保有する金融機関は巨額の損失によって連鎖的に破たん、ギリシャ発の金融危機発生の恐れがあった。それが土壇場で回避された格好。

    「ギリシャの問題は、 "いつ破たんするか" が問題であって、"破たんは回避できるか" ではない」とハーバード大学のフェルドスタイン教授。

    「首相は危機と呼ぶが、実質的にいって我々はすでに破たんしている」とは当のギリシャの共産党党首。

    ギリシャ国債を大量に保有しているフランスやドイツの金融機関は戦々恐々としている。株価も大きく下げた。

    過日のリーマン・ショックはより大きな危機に対処するための予行演習だったのかもしれない、などと思えてくる。

    そして国家の浪費の後始末は国民がつける他ない(デモが暴徒化したりしているようではあるけれど)。ひとごとではない。

    ※メルマガ「お金になる英語」配信しました http://t.co/Sv720Hc

    今回はギリシャを取り上げています。日本のメディアが大きく取り上げることはあまりないようですが、綱渡り的スリル満点の事柄です。

    つくづく試練に事欠かぬ世界だなぁと思っちょります。
    posted by ばへっと at 09:57| Comment(0) | 気になるニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年06月16日

    中国の足かせ

    ポーランドの公共工事で中国企業の信用が失墜している。

    とんでもない安値受注でヨーロッパ市場への参入の足がかりとしたかったもようだが、資金不足で工事は中断、もういい、とキャンセルされてしまった。

    個人的にはモラルの低さが中国の足かせだと見ている。
    だまされた方が悪い、商売とはそういうものだ、という風潮を感じてしまったので、僕自身、中国企業に投資するつもりはない。

    ただ中国の潜在的巨大市場は魅力である。

    モラルも技術力も高く、中国の巨大市場に食い込んでいける企業こそ魅力的な投資先と見ている。

    そういう目で見て、投資先として悪くないぞと思える日本企業は少なくない。
    posted by ばへっと at 10:21| Comment(0) | 気になるニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年04月07日

    いま備えるべきこと覚書

    東日本大震災で日本は三重の打撃を受けた。と、海外のメディアはしばしば報じている。地震と津波、そして原発危機のことである。

    それでも日本は、震災のショックから立ち直り、新たなものを生み出し、つくり、さらに前へと進むだろう。

    これから需要はますます増えるだろう。一方、生産設備の破壊、そしてサプライチェーンの断絶によって供給が追いついていない状況にある。

    そして日本の歴史上もっとも潤沢なマネーサプライ。

    これらの状況から予測される自然な流れは、物価の上昇である。インフレの条件、そろい過ぎである。

    どうかモデレートなインフレであってほしい。ハイパーはかんべんである。

    世界のあちこちからやすいモノがガンガン日本に流入してきて、供給が需要を上回るようならデフレも続くだろうけれど、その可能性は低いんじゃないかな。

    激しいインフレは経済災害と呼ばれる。こちらの災害は、ヒトの理性で未然に防ぎたい。
    posted by ばへっと at 22:55| Comment(0) | 投資の感性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年04月03日

    この10年間で学んだこと覚書

    この10年間を振り返って学んだことを書いてみる。

    ・他人のアドバイスを鵜呑みにして投資した案件はまず失敗する

    ・自分の触感で良きビジネスと確信し、自分の頭で財務内容を把握し、自分の頭で将来キャッシュフローを予測し、複数回に渡って株式を取得し、長期間株主であり続けた投資案件は、たいていの場合、うまくいく

    ・時機を逸してしまいそうだ、早く投資しなきゃ、と思い、焦って投資した案件はほとんどすべて失敗する

    ・資本利益率が低く、株主資本比率が低い会社は、たいてい経営者に問題がある。そういう会社に投資してもほとんどの場合株主は報われない

    ・良きビジネスと確信したが株価が高すぎる、そんな場合は時機を待つ。手頃な株価となるのを待つ。すると実際そうなる(株価が下がり、投資の好機が訪れる)ケースが意外と多い

    ・良きビジネスであり、資本利益率が高く、株主資本比率も高く、フリーキャッシュフローも継続的に潤沢で、経営者の株主に対する態度もまあ良い。なのに外的要因なのか何なのかで株価がお手頃な水準まで下がってきている。自分の頭で考えるに、どこからどう見ても良き投資先である。こういう虫が良すぎるような投資機会は実際にある。そういう機会が訪れるときに備えていると、本当にそういう好機が訪れたりする

    ・決算書を深く読みこむと、最初はすごく良い会社のように思えたのに実はそうではないなと考えを改める機会に恵まれる。こういうケースが実に多い。冷静な思考のために決算書は不可欠である。投資すべきでない会社を避けることが実は一番大切なのではないかと思うようになりました
    posted by ばへっと at 23:29| Comment(0) | 投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2011年03月02日

    いま注目すべきはサウジ。火種はあれど意外と平穏

    ※日本の新聞では報じられていないような話題を取り上げたいと思っちょります。

    現在のアラブ世界、投資家として注目すべきはサウジアラビアである(私見)。

    サウジの若者たち(シーア派)がフェイスブックを通じて同国東部 Qateef市での金曜デモを呼びかけているそうだ。
    立憲君主政への移行を求めて逮捕された僧侶の解放を求めてのものだという。

    とうとうきたか、と一瞬思った。

    このところ、サウジの株価は大きく下げている。2月だけで△12.9%だ。
    バーレーンの民衆蜂起が、産油量の多いサウジ東部地域へ飛び火するのではないかとの恐怖が市場を引っ張っているもよう。

    先日、サウジ王族は、社会保障や失業対策等に350億ドル相当の財政支出を約束。国民を懐柔する必要に迫られている。

    とはいえ、バーレーンも現在は小康状態にある。サウジにおいても特に大きなデモの兆しはない(散発的にはあるが)。

    とりあえずのサウジの現状は、他のアラブ諸国に比べて穏やかな状況のようではある。

    今日の原油価格の上昇、世界的な株価の下げは、多少ヒステリックなにおいがするなと個人的には感じた。

    長期的には、どの専制国家においても、民主化への移行は避けられないと思うのだが、できれば穏やかにシフトしていってもらいたいものである。

    サウジのリーダー層の賢明な対応に期待したい。
    posted by ばへっと at 21:01| Comment(0) | 気になるニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする