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    2009年05月24日

    会社分析(トヨタ、ホンダ、信越、三菱重工、シャープ)いたしました件

    こんにちは。庄司です。

    ここ10年間で最も多忙な春を過ごしております今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

    さて、すでに店頭に出ております今月号の日経マネー(7月号)にて、上場企業5社の分析を行っております。

    それぞれ小さな200〜300字程度の分析記事ですが、各社の決算短信その他の情報を丹念に読み込んで、コメントしております。

    編集部より依頼を受けまして、僕が分析したのは次の5社であります。


    ・トヨタ自動車 ← (ひとこと)数字はとんでもない大赤字のくせに強気の雰囲気を漂わせる経理部長が不気味

    ・本田技研(ホンダ) ← (ひとこと)思った以上に北米依存度高し

    ・信越化学工業 ← (ひとこと)おおぅ・・・

    ・三菱重工業 ← (ひとこと)日本の工業を支える尊敬すべき重厚長大企業、されどキャッシュが残りにくい体質なんですな

    ・シャープ ← (ひとこと)液晶、差別化なくして成長なし


    同時に日経マネーの副編集長さんから、これらの会社について、「回復期待度」なるものの判定も依頼されました。

    なので、僕なりの視点で上記の各社、誌上にてAからEの判定を記しております。

    (それぞれの意味はこんな感じです)
    A…膿みを出し切り、増益も視野に
    B…着実に回復軌道に乗れそう
    C…景気回復なら業績も好転へ
    D…追加リストラの可能性
    E…リストラ不十分、回復遠い
    (設定 By 日経マネー編集部)

    良い会社はこの環境下でも強さを示しているし、悪い会社はとことん悪い、というのが印象です。こりゃ淘汰が進みますわ。

    僕自身は、強い会社の見極めに注力し、長期の視点で投資し続ける所存であります。

    こういう時こそ、投資は楽しく行っていきたいものですね!

    ※日経マネーはいまどきアマゾンでも取り扱っているもようです。こちらからどうぞ。
    http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00287ZC9C/katteshohyo-22

    買っても買わなくても、読んでくださったみなさん、どうもありがとう、ありがとう。(庄司)
    posted by ばへっと at 18:27| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2009年05月11日

    決算短信で会社分析 の話

    日経マネー副編集長さんのご依頼で、3月決算上場企業の決算書分析をいくつか行った。

    分析のために、決算短信と会社四季報とを合わせて読んだのだが・・・

    思ったことは次の通り。

    ・会社四季報はコンパクトでいいのだが、これを読んだだけで投資先を決めてはだめだ(情報が絶対的に不足する)。

    ・決算短信は興味深い情報が満載だ。しっかり読みこめば、かなり深いところまで会社の実情に迫れるのではなかろうか。

    ・これまで自分は決算短信をなめてかかっていたところがあるかもしれない。
    → 反省した。

    会社分析の結果は、今月20日頃発売予定の日経マネー(7月号)に掲載の予定であります。
    posted by ばへっと at 21:41| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2009年03月16日

    時価会計凍結論議再燃(アメリカ)

    ・「米、時価会計見直し巡り応酬続く」(日経新聞)


    不透明な決算開示は信用を失わせる。

    信用できないものに投資する投資家はいない。

    米議会のある議員が主張するのは、

    「まじめに働いてきた商店主らが貸し渋りに苦しんでいる。時価会計の即時凍結が必要だ」
    「これは不況に苦しむ家計の問題だ。アカデミックな議論は不要。すぐに時価会計をなんとかしろ」

    ただ、アメリカ政府やFRBが凍結に反対(あるいは慎重)姿勢なのが救い。

    (結論)
    ・時価会計を凍結すれば問題は解決する、とか考える政治家を選んではダメなのです。

    ---
    (参考)
    米、時価会計見直し巡り応酬続く
    http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090313AT2M1300Q13032009.html
    posted by ばへっと at 13:11| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年12月22日

    いま有楽町

    ※近況報告

    傘を忘れた。

    仕事は終わったが、外は冷たい雨。

    エスプレッソを飲みながら雨宿り中。
    posted by ばへっと at 19:50| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    日本の時価会計緩和。基準改悪の葛藤

    半月遅れのニュース。欧米に追随して、日本でも時価会計の緩和が決まった。

    12/5 企業会計基準委員会 (ASBJ) は「債権の保有目的区分の変更に関する当面の取扱い」を公表。

    これは国際会計基準審議会 (IASB) が「金融資産の保有目的区分の変更」処理を認めた基準改正(というか改悪)を日本でも容認したもの。


    たとえば、こういうことが起こりうる。


    (事実)債券の時価が著しく下落した。

    (原則)本当は強制評価減(損失処理)しなきゃ。

    (会社のいいわけ)「いや実は、この債券は償還されるまで持ち続けるつもりだったんだ(そういうことにしたんだ)」

    (会社の処理)「だから強制評価減(損失処理)はしなくていいよね」

    (監査人)「・・・(基準がそう変わったのだから、何もいえません)」

    → 損失処理は回避。結果として、投資家をあざむくことになる。


    適用時期は、2008/12/5 から 2010/3/31 まで。(時限付き)

    ただし一定の条件を満たす場合には 10/1 までさかのぼって適用することも可。


    この取扱いは、基準委員会の14名中12人の賛成で可決された。

    おもしろいのは(おもしろくもないが)、2名の委員が審議のあいだ一貫して反対姿勢を示したこと。

    審議中に出たという反対意見を、以下に記す。

    ---
    「局面に応じて変わるようであれば、基準としての役割を果たさなくなる」

    「このような基準変更は、会計基準設定主体への信頼性を著しく損なうおそれがある」
    (万代勝信・一橋大学大学院教授)

    ---
    「公表日より前に行われた意思決定にも適用すると定めることは、事実関係と必ずしも合致しない適用日を選択できるとの誤解を生じさせうる」

    「経営者のモラルハザードを助長する懸念がある」
    (小宮山賢・日本公認会計士協会副会長)
    ---

    まったくもってその通り。僕個人は反対意見に全面同意である。

    信頼なくして健全な成長などありえない。

    今回の出来事は、近い将来、反面教師として学ぶべきことがらとなるのだろう。


    (蛇足のこと)
    審議の中で反対票を投じた小宮山氏は、僕が以前勤めていた監査法人で、現場監督(インチャージという)をしていたとき、ボスだった人物。

    一緒に仕事する際、こちらは緊張しまくりだったが、今にして思えば好ましいボスだった。

    氏の印象は、「物静かで穏やか、内面から発する熱気」といったもの。

    このところ、ご無沙汰してしまっているが、このような人物と、いっときなりとも共に仕事できたことに、なにやら誇らしいものを感じたりもするのである。
    posted by ばへっと at 19:47| Comment(2) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年12月08日

    海外子会社からの配当非課税が企業業績に与える影響 の話

    日本企業が、海外子会社から受け取る配当金について、非課税とする方針だと伝えられた(12/5 自民税調)。

    現行の税制では、日本の親会社が、税率の低い海外から配当金を受け取る場合、本国・日本の税率との差額分が追加徴収される。

    日本の場合、税金は全世界の所得に対して課されるからだ(全世界所得課税)。


    しかしそれでは、企業が海外で稼いだキャッシュを本国に配当すべきでないということになる。

    政府としては日本国内の雇用を増やしたい。そういったところから、今回の税制改正案は出てきたのだろう(と推測)。


    さて会計的には、海外子会社から受け取る配当について、将来、課されるであろう税金分は税金費用として計上される(計上されなければならぬ)(海外子会社の留保利益税効果)。

    将来納付しなければならないであろう税金分は、繰延税金負債としてすでに債務認識されているということ。


    ところで今回の税制改正案により、海外子会社からの配当が非課税となった場合どうなるか?

    すでに認識されている債務が不要になる。つまり

    債務の消滅 → 税金費用の減少 → 利益の増加

    という流れ。

    結果として、企業業績アップの要因となる。

    さらに副次的な効果としては、より安い税率の国・マーケットを求めて、日本企業の海外進出も進むことだろう。

    日本企業の自由度は増す。自由度の増加は概して、より大きな成果をもたらす。
    posted by ばへっと at 08:53| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年12月01日

    景気指標はおもしろい という話

    日経新聞・月曜朝刊に掲載される「景気指標」がおもしろい。

    前FRB議長グリーンスパン氏の著書「波乱の時代」を読んでから興味を持つようになった。金融政策の中心人物だった彼は、指標を読み解くことでアメリカ経済の実態を把握しようとしていたっぽい。

    たとえば今日の朝刊 (p19) から、僕の興味を引いた点をいくつか。
    ・製品在庫指数:この半年で1割上昇(急上昇) → 製品在庫積み上げ → 投げ売り可能性高まる → (結論)物価下落サイン

    ・新車販売台数(10月):37.9万台 → 05年・06年・07年の月平均販売台数はそれぞれ、48・48・44(万台) → 3年前に比べて2割超下落 →
    そりゃ在庫も積み上がろう → (結論)関連業種巻き込んでの業績低迷サイン・やはり物価下落サイン

    ・M3増加率(マネー供給量増減):前年比 0.6%(10月) → 目立った伸びではない →
    むしろ日銀の市中流通通貨を吸収しようとする懸命な努力が見て取れる → うちの中央銀行のインフレ警戒度は高いと推測 →
    (結論)急激な物価上昇の可能性低い(日銀がんばれ)

    ・アメリカ10年国債(財務省証券)利回り(11月):2.92% → 2年前は4.70% → 株価の急落から国債の選好度強まる →
    これに対して日本10年物国債利回りは1.36% → 2年前は1.65% → 同じく株価は下落しているのだがアメリカほど顕著な下げは見られない →
    日本国債の主な買い手は日本人 → (結論)日本人は以外に冷静


    最後に、僕個人の投資姿勢:
    日本株?買っています。
    posted by ばへっと at 09:16| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年10月17日

    「時価会計の一部凍結」構想にもの思う

    金融機関の破たんを避ける(金融システムを保護する)目的で、欧米と日本が歩調を合わせて時価会計の適用基準をゆるめようとしている。

    日本も欧米も、過去の経験から学んでいないのか?!

    などと、今朝はひとり憤った。

    が、ふと思った。

    各国の政府が、過去から学んでいないからではなく、学んだ結果として、時価会計の緩和を決めたのだとしたら?

    ・大多数の投資家は、企業の厳密な情報開示など望んでいない(開示された詳細情報など読む気もない)

    ・大多数の投資家にとって重要なのは、その場その場の雰囲気である

    ・利益の計算過程などどうでもいい、要は、結果としての純利益がいくらか、前期に比べてどの程度増加したか、それだけが問題だ

    ・企業情報を赤裸々に公開したところで、純利益が急減するもしくは大赤字が出る。それでは大多数の投資家は持ち株を投げ売りし、株価は急減するだけだ

    ・財務の透明性は損なわれても、開示される情報がぼやけた方が、むしろ大多数の投資家にとっては好ましい(株を買おうという気にもなる)

    そういえば古代ローマのカエサルはこんなことをいったと聞く。

    ・「そもそも大衆とは、必ずしも真実を見ることを欲しない。むしろ真実に背を向けてでも、自分が見たいと思ったものだけを見る」

    麻生首相も中川財務・金融担当相も、ブラウン英首相もサルコジ仏大統領もブッシュ米大統領も、そう判断したのではないか。

    だとしたら、今回の、会計の信頼性を著しく後退させる方針にも納得がいく。(愚策であるのは間違いないところではあるけれど)

    ※ならば僕は、これまで以上に決算書を読みこんで読み込んで、長期投資に徹しよう。
    posted by ばへっと at 20:15| Comment(4) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    「時価会計一部凍結」何も学んでいないのか日本 の話

    今朝の日経新聞一面の大見出し「時価会計一部凍結へ」

    <「時価会計一部凍結」構想のポイント>

    ・現在の金融商品会計基準は価値が著しく下落した金融商品は原則、評価減を強制(減損処理)

    ・値下がり著しい株式などは「減損」損失処理が必要となる

    ところが

    ・これに不服の銀行業界

    ・地方銀行協会トップは、財務・金融担当相へ時価会計凍結の陳情

    ・これを受けて中川金融担当相は「時価会計一部凍結」の検討を指示

    ・銀行が保有する、値下がり著しい金融商品の時価評価を強制しない方向


    <今後起こり得る可能性の高い出来事>

    ・銀行は著しく価値の低下した金融商品(多くがサブプライム関連のものだろう)を時価評価せず(資産の過大評価)

    ・投資家も、取引相手も、銀行の財務の健全性を疑問視(銀行の株価下落)

    ・住宅バブルに踊った銀行経営者の経営責任はうやむやに → 銀行の財務の健全化インセンティブ低下 → 自浄作用はたらかず

    続く流れは、信用収縮・投資家の委縮 → 景気低迷の長期化 → 株価は上がるはずもない

    なんという悲観的なシナリオ。ちょっと前、懸念していた出来事が、がぜん現実味を帯びてきた。

    アメリカもヨーロッパの規制当局も、日本の「失われた10年」から何を学んだというのか、なんてことを以前に書いたが、なんのことはない、当の日本自身が学んでいないのだ。


    ※今朝はあまりのショックに、地下鉄乗換駅を2度も乗り過ごす始末。
    posted by ばへっと at 20:13| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年10月11日

    投資家は甘やかされない / 株価急落に弱い会社を事前に見抜く法 の話

    恐慌といっていいような昨今の株価急落の中、思うのは、株価の上げ下げに経営基盤を大きく左右されないような会社が投資対象としては好ましいということ。

    要注意なのは、株主から預かったお金(資本金)を他社の株式取得にあてているような会社。

    投資事業を本業としている会社ならいざ知らず、新興のベンチャー企業が株式を公開して、新株発行によって得た多額のキャッシュの使い道に困惑し、他社の株式を大量に取得しているというのも日本企業ではめずらしくなかったりする。

    株主はあなたが経営する会社にこそ投資しているのに、そのお金をスルーして他社の株式に投資するとはいったい何を考えているのか?

    なんてことをたまに苦々しく思ったりもするけれど、そういう会社に投資した株主もそういうことは当然、知っておかねばならない。

    経営者も経営者なら、株主も株主といわざるをえない。

    他社の株式を大量に保有している会社の場合、その結果として、B/S(バランスシート、貸借対照表)には多額の「投資有価証券」が記載される(資産の部)。

    そして、含み損を抱えているか、それとも含み益なのかは「その他有価証券評価差額金」として情報開示がなされている(純資産の部)。

    投資家はこういう情報を理解しておけよ!という趣旨で、法律は上場企業に、こういった財務情報の開示を強制している(金融商品取引法)。

    逆にいえば、きちんとそういう情報は開示しているのだから、知らなかったなんて言い訳は通用しないんだぞ、と暗に投資家は警告されているようなものだ。

    昨今の株価急落を機に、多くの投資家がこういった情報の大切さを再認識することになるのではないか。

    だとしたら、長い目で見て、これもまた良い機会といえるのかもしれない。
    posted by ばへっと at 08:23| Comment(2) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年10月09日

    会社の金融危機耐久力を事前に見極める方法 の話

    こんにちのように、金融の仕組みがうまく機能しなくなったとき、死活問題に直結するのは資金繰りが厳しい会社だ(当たり前)。

    「銀行から新規の借り入れもしくは借り換えができなければ資金がショートする」そんな会社にとって、信用収縮 → 貸し渋り の流れは悪夢以外の何ものでもない。

    逆に、借入依存度が低く、自己資本の厚い会社にとっては、金融機関が萎縮してしまっても、それが倒産の危機に直結することはまずない。

    前者と後者を見分けるためには、やはり決算書が大切な情報源になる。

    ・自己資本の厚み(自己資本比率)は健全なレベルか?
    ・有利子負債が多すぎないか?
    ・利益の大部分が金利で喰われてしまっているような厳しい状況に陥っていないか?(インタレストカバレッジレシオ)

    株式市場は昨日も今日も恐慌然としてパニックの様相を呈している。
    ただ、僕がかねてから目をつけていた会社(の株)も大幅に値を下げているので、その辺は嬉しい。

    今しばらくしたら、そういった会社の持ち株を増やそう、なんてことを考えたりしている。
    posted by ばへっと at 07:29| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年10月04日

    会計操作を許したアメリカ の話

    アメリカの会計基準がゆるくなった。

    市場価格の急激な下落が "rare circumstances" に該当する場合は、必ずし
    も(下落した)市場価格まで評価額を切り下げる必要はない、ということ
    とした。つい最近の話。

    サブプライム問題に始まった信用収縮に対するひとつの策として、アメリカ
    は金融機関に会計操作の機会を与えた。

    1990年代の日本を見るかのようだ。ひとことでいって愚かしい策だ。

    要は「くさいものにはふた」ということだ。

    国際財務報告基準(IFRS)も、アメリカの会計基準に合わせる可能性が出て
    きたらしい(今回取り上げたFTの記事では好意的に取り上げられているよう
    だが)。

    これはディスクロージャー(企業情報開示)制度面での、明らかな、しかも
    大きな後退だ。

    アメリカもヨーロッパも、日本の「失われた10年」から何を学んだというの
    か。(愚かしかった日本の対応をせめて反面教師にしてもらわなければ
    一日本国民としてくやしいではないか)

    日本の会計基準設定主体もこれらの動きに追随するだろうか?

    追随するようであれば、だめだ。「失われた10年」の再来も覚悟しなければ
    ならなくなる。

    ※信用力に乏しい不透明な情報開示は投資家を委縮させる。株価が上がる
    はずもない。

    逆に、いまの日本の会計基準の水準を堅持し続けるのであれば、相対的に
    日本企業(日本の基準に沿って情報を開示する企業)の魅力度は格段に
    上がる。

    今、日本の会計は大いなる分岐点に立っている。これをチャンスとするか
    否かは、日本が、この世界的な信用収縮の混乱にどのような姿勢で臨むかに
    かかっている。
    posted by ばへっと at 23:16| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年08月20日

    四半期決算を投資に活かすコツ の話

    7月から8月にかけて、いくつかのクライアント企業の四半期決算レビューに臨んでいた。

    四半期報告制度の全面適用で、企業情報の適時開示は前進したといっていいのかもしれない。

    しかし四半期報告を活用する中で、もっとも大事なこととは

    「四半期決算の業績うんぬんで売った買ったをくりかえさない」

    ということではないか。

    3ヶ月間なんていう短い期間で投資の意思決定をすものではない。

    むしろ、1年に1度の有価証券報告書をじっくり見て、数十年単位で物事を考えるほうが、ずっとずっと健全で良好な結果が得られるはずだ。
    posted by ばへっと at 08:46| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年08月19日

    新しい棚卸資産評価基準 の話

    棚卸資産の評価損が企業の利益を押し下げている

    ・・・という風に報道されている。

    これは新しい会計基準・棚卸資産評価基準のせい。

    在庫として持ってはいても、その簿価に見合った収益稼得が見込めなければ、見込める価額まで評価を下げなさいよという基準だ。


    誤解してほしくないのは、新しい会計基準の導入が企業の活動の足かせになるわけではないということ。


    目を向けたいのは、新しい会計基準が明らかにする企業の実態だ。


    収益を稼ぎ出すことのできない資産は広義の不良資産といえる。


    これが外からはまるで分らなかったのが、ひと昔前の日本の企業群。


    それではだれも信用してくれないので、当時日本の経済活動は著しく萎縮した。


    昨今のサブプライム危機どころではないクレジットクランチ(信用収縮)が、日本の失われた10年をもたらした。


    そういう意味では、信用収縮の苦渋をいち早く経験した日本だったからこそ、いまだに世界中を覆うサブプライム問題から来るダメージを小さく抑えられたのかもしれない。


    企業の本当の姿をありのままに知ってほしいというのが健全な会計基準の存在意義だ。


    日本は、遅くとも一歩一歩着実に前進している。


    株価は相変わらず低迷しているけれども、日本企業の将来性に、僕は変わらず楽観している。
    posted by ばへっと at 08:44| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年06月26日

    僕が株主総会を好きなワケ

    昨日、ある会社の株主総会に出席してきた。一株主として。

    僕が株主になっている他の会社も同日開催で、どちらに出席しようか迷った。

    結局、市場の評価が急激に悪化しているほう(株価急落中)の会社(不動産業)を選んだ。

    総会の会場は新宿にあるホテルの一室。

    若い社員の人たちが案内してくれた。
    明るい顔つきできびきびした若い社員さんたちに好感を覚える。

    ※会社の将来は若い社員たちの肩にかかっている。


    経営陣も落ち着いて見えた。社長の声にも力強さを感じた。

    ※声の質は人の内面を反映する。


    株主の方から出る質問も真摯なものが多い。
    「株価が下がっているがどうした?」なんてのはなかった。

    ※株主は会社を映す鏡。株主の質は会社の質でもある。


    適度な緊張感のなか、総会は終わった。

    その後、社長と幹部社員一人が残り、経営近況報告会なるものが開かれた。

    昨今の流行りなのだろうか?

    社長は「株主の皆さんに、当社のビジネスをより深く理解していただければ」という。すばらしい。

    改めて読み返すに、決算書の数字も問題なさそうだ。
    この会社、買い増すことを考え中。

    ※結論:株主総会では決算数値だけでは読み取れない大切なものを感じることができる。出席すべし。
    posted by ばへっと at 09:45| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年06月20日

    驚きの株式持ち合い情報開示 の話(エーザイ)

    エーザイが株式持ち合い情報を開示した。

    株主に毎年送られてくる株主総会招集通知の中での話。

    どの会社とどの程度の株式を持ち合っているのか、そんな情報は(とても興味深いものだが)開示は強制されていない。

    もし知りたければ、有価証券報告書の「大株主情報」と「保有する有価証券の明細情報」とを突き合わせて調べる他ない。

    ただしそこまでやっても、持ち合い状況を網羅的に把握することはむずかしい。

    今回、エーザイが2008年3月期の決算書で任意に開示してくれた株式持ち合い情報は、実に画期的なディスクロージャーだ。

    正直、驚いた。

    なぜわざわざそんな(ネガティブにとらえられがちな)情報をあえて開示するのか?

    エーザイのコーポレートコミュニケーション部いわく、

    「相互の株式保有で連携を強化すれば企業価値は高まる。隠す必要はない」

    からだそうだ。(出所は6/19の日経新聞)

    個人的に、株式持ち合いは大嫌いだ。

    それは株主軽視・経営者の保身・(名目的な)資本効率の悪化につながるからだ。

    けれどこういう後ろ向きな情報も、あえて積極的に開示しようとする会社は大好きだ。

    実際、エーザイの株式持ち合い状況を見てみると、なるほど極端なものではなさそうだ。

    持ち合い先のエーザイ株保有割合は、全部合わせても2.54%。

    決してほめられたものではないけれど、株主を食い物にして経営者が保身に走るには規模的に小さすぎるかもしれない。

    あぁその程度かとも、つい思ってしまう。

    ぜひともこういう情報を法的強制開示の対象としてもらいたい。

    そうすれば企業の選別が進む。

    コーポレート・ガバナンスへの不信感の高まりから、パッシングされ続ける日本企業の評価も変わる。

    このところの日本株低迷の元凶は不信感だ。

    カラフルな事業報告書もきらびやかなアナリスト説明会もいらない。

    なんら後ろ暗いことはない。望むならすべてをお見せする。会社のありのままの姿をお伝えする。

    そんな姿勢の経営者が率いる会社が評価されないはずがない。

    そんな会社にこそ投資したい、株主であり続けたいなと思っている。
    posted by ばへっと at 09:14| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年06月14日

    ご縁のある会社 の話

    以前、僕が楽しい投資研究所HPで詳細な分析を行った会社へ、今度は監査人として乗り込むこととなった。

    これまでに公開してきた会社分析は、決算書(有価証券報告書や決算短信などなど)を頼りに会社の本質に迫ろうとしてきたものだ。

    で、今度は実際に、分析した会社の内部へ足を踏み入れることになる。

    僕の分析が、どれだけ会社の真実の姿に迫れていたか?
    何が正しくて何が正しくなかったか?

    それが明らかになるというのなら、僕自身、非常に興味をひかれること。

    もしもその過程をレポートできるのなら、友の会・会員の方たちにとってもきわめて興味深いものになるのでは?

    なんて思ったりもするのだが、残念ながらそれはできない話。

    監査人は会社の深層に踏み込める立場にあるだけに、そこで知りえた事実を監査の目的以外に用いることは許されない。

    ただこの経験を通じて、僕自身の会社分析スキルをさらに磨くことができる可能性も高い。

    今後はより精度の高まった分析レポートの提供を通じて、楽しい投資研究所のミッション、

    "決算書を、投資家にとって身近なものとする。
    ひいては日本の株取引の場を、健全な資本市場とし、市場を通じたコーポレート・ガバナンスを通じて、優れた、尊敬できる会社をバック・アップし、さらには豊かで幸せな国づくりに資する"

    を果たしていけたらいいなあ、と思っている。
    posted by ばへっと at 19:14| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年06月04日

    決算情報にひと工夫。投資成果を高めるコツ、の話

    アナリストの間で、マンション販売大手の決算に対する警戒感が高まっている。

    というのも各社の間で在庫が膨らんでいるから。

    この情報は、貸借対照表の「たな卸資産」という項目を見れば分かる。

    地価の上昇を見込んで、不動産各社は強気に土地を仕入れていたが、ふたを開けてみれば景気の失速とインフレの進行(物価高)で、買い手の多くが消えてしまった。

    結果、マンション販売各社には多くの在庫が滞留する状況となった。

    ところで僕が監査実務の現場にて、例外なく注視するのがこの「たな卸資産」だ。

    過去の実績と比較して、たな卸資産が大きく膨らんでいたりすると、それは要注意。

    もしかしたら不良在庫が増加しているサインである場合が少なくない。

    単純にたな卸資産の額を比べるだけでなく、売上高や売上原価といった取引規模とたな卸資産の残高を対比してみることによって、事業規模の拡大・縮小に見合った在庫水準かどうかも把握することができる。

    視点にひと工夫加えることによって、これまで見えなかったものが数字を通して見えてくる。

    ちょっとした手間をかけることで、他の投資家には見えていないものが見えてくる場合が少なくない。

    この情報解釈力の差が、長期的な投資成果に大きな差を生むのだろうと思っている。
    posted by ばへっと at 09:42| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年04月30日

    上がり調子の日々

    箇条書き風に更新。

    ・3月決算企業の監査手続が佳境に入ってきた。
    この時期は会計士にとっては1年を通じて最大の繁忙期、僕もおかげさまで極めて多忙だ。というわけで更新が滞りがちなのである。すみません。

    ・世間ではGWだそうだが今年の僕にそんなものはない。ひたすらハードワークの日々である。まあ仕事は嫌いじゃないのでありがたいといえばありがたい。せっかくなので楽しみながら仕事に励んでいる。

    ・日本の株価がこのところ上がり調子で見ていて面白い。日本の企業風土を十把ひとからげに見てしまうと閉鎖的でどうしようもなさそうだけれど、よく見れば良い会社は業績も財務の内容も良いのだから、評価が回復するのも自然の流れと思うのだ。

    そういうところが見えてきたら、今のうちにそういう会社の持ち分を増やしておくのは投資家として好ましい行為だと思うのだ。

    決算書は企業の内情を透視するのに、これ以上のものはない貴重な情報源である。投資家は透視する技術を磨くべし。
    posted by ばへっと at 09:20| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2008年02月03日

    【告知!】 新作の会社分析レポートできました

    ちょっと前、お知らせしましたとおり、今回取り上げましたのは
    ハイビック株式会社!です。


    ※特製 会社分析レポート ハイビック株式会社 編
    http://www.1toushi.com/library/report011_hivic.htm


    もしも個別に請け負って、このレポートを作成したとしたら・・・
    私の、クライアントさんへの請求額はたぶんン十万円(!)です。場合に
    よってはケタが変わります。

    なのに、これを無料で公開しようというのですから、われながら酔狂な話
    ですね。

    とにかく、それくらいの時間とエネルギー、経験から得られた知識を注ぎ
    込んで作り上げました分析レポートです。

    なお、巻末には読者さんへの「スペシャル オファー」もあったりします。

    この分析レポートを読んで、決算書を読むこと・読み解くことが、投資家に
    とってどれだけ有益かを、少しでも感じ取っていただけたら、この上なく
    嬉しい私です。

    では、会社分析レポート ハイビック株式会社編、愛を込めて、楽しい投資
    友の会・会員にみなさまへお届けいたします。

    ※楽しい投資友の会・会員さんには、一般公開に先がけての24時間先行公開
    とさせていただきました。

    ※楽しい投資友の会 → http://www.1toushi.com/oc/

    どうか楽しみながら、読んでみてくださいね。Happy reading!


    ※特製!会社分析レポート ハイビック株式会社 編
    http://www.1toushi.com/library/report011_hivic.htm
    posted by ばへっと at 15:35| Comment(1) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする