2007年09月12日

監査の現場で分析レポート読まれてた、の話

おととい大阪で、昨年来、仕事上つき合いのある女性公認会計士と飲んだ。

彼女は某上場企業(不動産業)の監査を担当、監査チームのイン・チャージ(実務面のリーダー)を務めている。

そういえば2年前、その会社の分析レポートを書いたっけ、なんてことを考えていたら、彼女がこんなことをいってきた。

「ばへっとさんって庄司さんのことなんですよね。

会社分析レポート、監査の現場で読みました。参考にさせてもらいましたよ!」

・・・とのこと。

スタッフの一人がプリントアウトして現場に持参してくれたのだそうだ。

個人投資家向けに書いた分析レポートが、まさか監査の現場で読まれることになろうとは。

気恥ずかしくもあり、嬉しくもあり。なんだか奇妙な気分だ。

・(楽しい投資研究所の)特製!会社分析レポート・ライブラリ
 →  http://www.1toushi.com/library/

・分析リクエストはこちらで受付中。

 → http://www.1toushi.com/votec.cgi

そういえば分析レポート、ずいぶん長いこと書いてない。

そろそろ新作のレポートを書かなきゃな・・・なんてことを思わされた大阪の夜だったのでした。
posted by SHOJI at 15:48| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月31日

自社株買いに、注目せよ

このところの急激な株価下落の中で、注目すべき企業行動がある。

 「 自 社 株 買 い 」 だ 。

東証が発表する「投資主体別売買動向」で明らかとなった。
多くの企業が自社株買いを積極化している。

上場企業が、市場を通じて自社の株を買うとはどういうことか。

その意味するところ・本質は、(意図は種々あれど)株主への資本の払い戻しだ。安く自社株を買い戻すほどに、企業価値を上昇させることができる。

株価の急激な下落を、一転、企業価値向上の機会にしている、ということだ。

最悪の相場は、長期の視点を持つ投資家にとって最良の買い場であることにも通じる。
posted by SHOJI at 21:04| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[ セミナー情報 / 「有報セミナー」受講者の声 ]

ご紹介するのは、「決算書(有報)をフル活用!株式投資で儲ける技法」
(略称:有報セミナー)。

楽しい投資研究所がはじめて公開した記念すべきセミナーです。

受講者の方から受け取る喜びの声こそ、私には最高にうれしいご褒美です。


(1)【有報セミナーを受講しての感想】
多くの入門書などでは、決算書の特定の数字だけを取り出し一定の数式に
当てはめて指標を計算するというような使い方しかしていない場合がほと
んどです。

けれども、それではちっとも決算書を「読んだ」ことにはなっていない
ということがわかりました。このようなテーマのセミナーは、大変に
ユニークで貴重なものだと思いました。

ばへっとさんが、有報の中のバラバラな情報をつなぎ合わせて読み解いて
ゆく様は、まるで物語を読むかのように楽しくてスリリングです。
これから、何度も復習を重ねて、自分でも有報を読み取れるようになり
たいと思います。

(2)【これから受講される方へ特におすすめしたいパート】
特にどの部分ということではないのですが、有報は数字だけを弄ぶもので
はなく、内容を「読む」ものだということ。

(3)【有報セミナーから受け取った価値】
1千万円(になるといいな)

A.Wさん (大阪府 49歳 男性)

※もっと詳しく
「決算書(有報)をフル活用!株式投資で儲ける技法(有報セミナー)」
 → http://www.1toushi.com/yuho/kansou/recommend.htm
posted by SHOJI at 11:36| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月06日

四半期決算。一喜一憂するべからずの話

有報も出そろって3月決算もやっと終わった。

・・・なんて思っていたら、今度は四半期決算のレビューにあちこちうかがっている。

3月決算企業にとっては6月末が第1四半期末になる。

これまでは企業決算といえば本決算と半期決算の年2回が日本の基本ペースだったのだが、これからは本決算プラス3度の四半期決算が主流になる予定だ。

適時開示を錦の御旗に掲げた3ヶ月に一度の決算発表。

それにしても経理など決算実務にたずさわる人たちにとってはたいへん負担であろうと、同情の念を禁じえない。

たしかに株主にとって、頻繁に情報開示してくれるのはありがたい。

けれど、3ヶ月に一度のペースで売り買いをくり返すようではそもそも投資とはかけ離れたものとなってしまう。

あくまでも僕の場合の話だが、四半期決算は2の次と考えている。

それより何より、年に一度の有報(有価証券報告書)分析にエネルギーと時間の8割以上を割いている。

情報の量と信頼度が格段に上だというのがその理由である。

同じ決算といえど、その内容には大きな違いがあるものなのです。
posted by SHOJI at 09:19| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月04日

【投資家は注意】 日本企業の決算書がまた変わる、という話

日本の会計基準(の設定団体)が、国際会計基準に歩み寄る姿勢を見せた、らしい。(ソースは今朝の日経新聞)

まあ、これまでも日本は国際的な潮流に柔軟に対応してきたと思うし、日本はむしろ、その良識にしたがって会計基準の改正をくり返してきたと個人的には思っている。

ところで、これから国際会計基準に歩み寄るであろうときに気がかりなのが、「のれん」の処理方法だ。

国際会計基準もアメリカの会計基準も、数年前、

「のれん」は超過収益力を表すものであり、償却は不要である

という扱いに変えた。ただし買収したビジネスがうまくいかなくなったら、それに関わるのれんは一気に(唐突に)減損の必要に迫られることになる。

ちなみに今、日本の基準は徐々に償却(費用化)させるようにしている。(強制)

あえて断言するが、どっちが健全かといえば、やはり日本だ。

国際会計基準に足並みを合わせることになれば、こちらも妥協せざるをえまい。けれどそれは残念な方向だ。

ただ、このことを知っていさえすれば、投資家としては特に問題ない。

投資するその前に、のれんなんてあやふやな資産はないものとして考えておくだけだ。

そうすれば、会計基準の問題で・・・なんて泣き言をいうこともなくなる。

投資してから泣くのではなく、そうならないために、投資する前にとことん本質の理解に努める。

要は、知る努力を重ねるか、知る努力を怠るか、それが問題なのだと思うのです。
posted by SHOJI at 15:27| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月25日

ポイント発行は売上値引き!(国際会計基準)

突然だが、ポイントってありがたい。
ヤマダ電機のポイントには常々お世話になっている。

ところで、国際会計基準の「ポイント発行」に関する取り扱いがこのたび決まった。

付与したポイントは売上高から除外すること、だそうだ。

 厳 し い !

現在の日本基準の場合、将来、お客が使用する可能性の高いポイント分だけを、引当金として処理することが求めている。

引当金の繰入額は費用になるわけだから純損益に与える影響に変わりはないのだけれど、売上からさっぴくとは大胆というかあっぱれというか。

ポイントの発行は、顧客の囲い込みを目的とするなど、ある意味、販売促進費的なとらえ方をされている(日本)わけだが、ヨーロッパ主導の国際会計基準(IFRS)は、それでは甘いと結論付けた。

・・・ただ、会社の現状をありのままに知りたい、と願う一投資家としては、ポイント発行は実質的な売上値引き、といい切ってもらった方が良いかもしれない。

経営者は嫌がるだろうけれど、投資をする側としては楽観的な会計処理よりも、保守的なそれの方が後々ありがたいというもの。

国際会計基準のラディカルにも思える前進は、日本基準をさらに突き放したもようだ。
posted by SHOJI at 21:11| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月12日

私的ホットな季節

軽く更新します。
---
いまさらではあるが、7月だ。

これで、3月決算企業の有価証券報告書(通称「有報」)が出そろった。

この有報というもの、EDINETを利用すれば、誰でも閲覧できる。

 ※EDINET → http://info.edinet.go.jp/

有報は決算短信よりもずっとずっと情報量が豊富で、しかも信頼度は高い。
株式投資には不可欠のそして最高の情報源だ(と強く思う)。

なのでこの時季は、僕にとって最もホットな季節といっていいかもしれない。

そこで、気になる会社の有報をとりよせてじっくり眺めてみる。

決算短信にはなかった注記情報や監査意見にも目をとおす。

おやおや、魅力的な会社がなかなか安く買えそうじゃないの?なんて思う。

確実なことなんてあるわけもないけれど、この程度のリスクだったら喜んで引き受けられる。
そう感じられたら迷わず買いだ。

で、これから数回に分けて買うつもり。

僕の方針として、心地よいリスク水準を意識しながら、可能な限りのリスクをとる。
するとワクワクする。

ワクワクできる投資は、やはり楽しい。

※有報セミナー → http://www.1toushi.com/yuho/

posted by SHOJI at 12:46| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月21日

ルック・スルー利益。見えざる利益を見抜く法

こんにちは。楽しい投資研究所の ばへっと こと庄司卓矢です。

今回はこの概念をテーマに取り上げます。

人呼んで・・・


 ルック・スルー利益(Look Through Earnings)


この、普段はちょっと聞かない「利益」、私もみなさんも大好きなバフェット
氏が常に意識し、ときに言及するものです。

一体どんなものかといえば、ひとことでいって、真実の利益を見通す
(ルック・スルー)ための考え方であり、「利益」です。

では決算書に表れる利益は、真実ではないのか?

あえて断言します。それはまさしくそのとおり。

決算書に表れる利益は単なる「意見」にすぎません。


またここで「会計の限界」についても、理解しておく必要があります。

たとえばバフェット氏の会社、バークシャーは、多数の企業に投資しています。

実質的な支配下にある「子会社」や、強い影響力のもとにある「関連会社」は、
連結決算にとり込まれます。

つまり、連結の対象となるグループ企業として、それらの利益は連結ベースの
決算書に反映されるのです。

なので私たち投資家は、連結決算書を読むことによって、連結グループ全体の
業績を把握することができるわけです。

しかし、これはひとつのタテマエにすぎません。

つまり、投資先企業であることに変わりはありませんが、「子会社」でも
「関連会社」でもない会社、というものがあちこちに多々あるからです。

子会社はおおむね、50%超の持分を有する会社、というイメージで
よいでしょう。

関連会社はおおむね、20%〜50%の持分を有する会社です。

ではそれ未満の持分しか持たない会社はどうなるか。

連結対象になることはまずなく、単なる投資有価証券(株式)として
あつかわれるだけです。

連結対象でない会社の利益は、連結決算書に反映されることはありません。

その場合は単に、投資先企業から受け取った配当金が、営業外収益として
認識されるにすぎないのです。


たとえば、こんな例を考えてみましょう。

A社が5%の持分を持つ投資先B社が、100億円の利益を稼いだとしましょう。
そして配当性向は10%つまり総額10億円だったとします。

理論的に考えれば、5%の持分を持つということは、実質的にB社が稼ぎ
出した利益100億円の5%相当分、5億円がA社の取り分です。

連結対象企業であればそれだけの利益が連結ベースの損益計算に反映される
ことになります。

しかし持分はわずか5%にすぎませんので、B社は連結対象ではありません。

なのでA社の連結決算書の上では、B社から受け取る配当金0.5億円
(=10億円×5%)のみが収益として認識されることになります。(税金は無
視しました)

つまり実態と大きくかけ離れた利益しか認識できないことになってしまいます。


・・・これでは企業グループの実態を正しく把握することなんてできない。

そう考えたバフェット氏は、会計ルールの限界を認識し、その上で、その限界
を克服する術を見出しました。

それが「ルック・スルー利益」というものです。

バフェット氏は株主に宛てた手紙、チェアマンズ・レターの中で、こんなこと
を語ったことがあります。


「私は決算数値を良く見せるためだけの取引には興味がありません。

興味があるのは事実であり、実態です。

たとえ表面上の利益に変化はなくとも(たとえネガティブな影響があろうと
も)実態面でプラスとなる取引であれば、喜んで実行します」
(意訳:楽しい投資研究所)


彼がそのような意思決定を行う土台には、師匠のグレアム氏に学んだ投資思想
があります。

すなわち、


「株式市場は短期的には単なる人気投票の場にすぎないが、長期的には
価値測定機である」


表面上の利益に一喜一憂するよりも、実態面でポジティブな影響を与える行動
に徹する方が、長期的に見て堅実なリターンを得る最善の方法であることを
知っているからこその思考であり、行動なのです。

このルック・スルー利益という考え方に初めて触れたとき、私は衝撃を受け
ました。

そしてぜひ日本企業にも私自身の投資にも応用したい、と強く思いました。

しかしなかなかその機会は訪れませんでした。

なぜなら日本企業にはバークシャーのような投資会社はそうそうないからです。

ところが先日、日経マネーの副編集長・K氏から、インタビューと会社分析の
依頼を受けたとき、その中に、思いがけない投資会社があったことに気づき
ました。

しかもその会社、日本人ならば知らぬ人はまずいないであろう超有名企業です。

その会社とは・・・


トヨタ自動車です。


トヨタは、世界一に迫る勢いを見せる偉大なカー・メーカーであると同時に、
投資会社としての顔をも持っています。

私の試算結果によれば、トヨタが潜在的にもつ「見えざる利益」(連結決算の
表面に現れない利益)は少なくとも540億円超(!)あるということが分かり
ました。

これはH18/3期の有価証券報告書から導き出した数字です。

・・・分析しながら、当の私自身が驚いてしまいました。

これほどまでの「見えざる利益」を隠し持っているとは・・・おそるべし
トヨタ。まさに、日本の誇る偉大な会社といって良さそうです。


ところで、この分析結果は、本日発売の日経マネー7月号の特集記事

「もうかる株が一目で分かる最強の決算活用術」

で取り上げられています。

私への割り当てスペースはトヨタが約1ページ、それに加えて日立と住友
不動産それぞれ4分の1ページです。

決して広くはありませんが、中でもトヨタに関しては、ルック・スルー利益と
いう考え方とともに、珍しい視点を提供できたのではないかと考えています。

・・・しかし、実際に紙面を見てみると、「エッ、これだけ?」という
拍子抜け感も否めません。

そこで、今月の日経マネー(7月号)の読者を対象に、オンラインセミナーを
急きょプレゼントすることにしました。

題して、

「見えざる利益を見抜く法 〜健全な思考と正しい情報が、あなたに豊かさを
もたらす〜」(仮題)

です。

特集記事の中に、私(庄司卓矢)の紹介文がありますので、そこに記された
URLにアクセスし、オンラインセミナー申込みフォームからご登録ください。

追って、セミナー教材(MP3音声ファイル)をプレゼントいたします。

セミナー教材の内容は、もし価格をつけるとするならば5千円は下りません。

それを日経マネー7月号(600円)を購入するだけで手に入れられます。

このチャンスをお見逃しなく。

では、オンラインセミナーでお会いできるのを楽しみにしています。

ばへっと でした。
posted by SHOJI at 16:23| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月24日

経営者の仕事は、責任を取ること

先日、信越化学工業の工場で爆発事故が発生しました。

重傷者も複数人出るほどの、大規模な事故でした。

被災者の方々、ご家族には気の毒なことです。

そして会社にとっても、主要な工場のひとつで起こった事故であるだけに、
事業面への影響が懸念されています。

これは会社にとって、大きな試練です。

事故当日の信越化学の株価は、売り注文が殺到し、売買が成立しない状態で
取引を終えました。

信越化学工業の社長、金川千尋氏は、事故後の記者会見において、

「安全を何よりも優先してきたのに申し訳ない」と謝罪し、そして次のように
述べました。


「今回の事故の全責任は、私にある」


これこそ、経営者に必要な態度であり、ことばです。

今回の事故は、残念で気の毒なできごとです。

ですが一投資家として、金川氏の、経営者としてのこのことばに救われる思い
がしました。


経営者にとって最大の仕事は、責任を取ることです。

会社で起こった出来事に最終的な責任を取るのは、経営トップです。当然です。

ところが、この当たり前の仕事をまっとうできない経営者が少なくありません。


日興コーディアルの不正会計問題では、事務処理ミスとして、一従業員に
なすりつけようとしました。

ライブドア問題では、当時の経営トップが、自分はただの傀儡(かいらい)
だったと居直る始末です。

責任を取ろうとすらしない経営者には、がっかりさせられます。

これは能力の問題ではありません。

覚悟の問題です。

経営者としての誠実性の問題です。


事件が起こったとき、試練の場に立たされたときにこそ、人はその本当の姿を
あらわにします。

窮地に立たされたとき、その人の誠実性は白日のもとにさらされます。


私は一投資家として、誠実な経営者が率いる会社に投資したいと常々思って
います。

売上高や利益の額はもちろん大切ですが、経営者の誠実性という要素の前では、
小さな問題です。

不誠実な経営者は、ビジネスの優位性をすべてひっくり返してしまいかねない
ほどの悪影響を、会社にもたらすものです。

それゆえに、どんなに優れた業績を上げる会社であったとしても、経営者が
誠実でない会社には、決して投資したいと思いません。

窮地に立たされるような状態に至る前に、会社経営者の誠実性をはかることは
できないか?

これは、私たち投資家にとっては、切実な問題です。

私自身の経験上、いえることがあります。それは、


 経 営 者 の 誠 実 性 は 

  決 算 の 開 示 姿 勢 に 表 れ る


ということです。

誠実な経営者は、株主・投資家に対して、誠実な経営姿勢、分かりやすい決算
報告を貫きます。

これに対して、不誠実な経営者は、分かりにくく、事実を捻じ曲げて認識させ
かねない、奇妙なくらいに分かりにくい決算を作り出します。

※ここではあえて「作り出す」という表現を用います。


先日、公開したばかりの「簿記会計セミナー」では、決算開示の姿勢から、
経営者の誠実性を読み解く知識とテクニックについて、解説しました。


※企業分析!真実の姿を見透す技法 セミナー
 → http://www.1toushi.com/bok/


その中では、偶然にも信越化学工業を取り上げていました。

誠実な決算開示の姿勢を貫いているポジティブな事例として、信越化学工業を
取り上げたのです。

今回のショッキングな出来事が、信越化学の業績に与える影響にも注目が
集まっています。

ただ、私個人として、信越化学工業は、投資したい会社の筆頭に上げられる
くらいに魅力を覚える会社です。

※ただ、株価が安いとはいえないことから、まだ株主にはなっていません。

今回の事故を機に、経営トップの誠実性をさらに深く知ることができたように
感じます。

私たち投資家は、「責任を取る」という経営者本来の仕事を、迷うことなく
遂行できる覚悟を持った人物にこそ投資するべきです。

経営者の誠実性こそ、私たち投資家にとっては、他の何ものにもまさる、会社
の財産なのですから。


<今回のポイント 賢明なる投資の実践そのために >

☆ 誠実な経営者に、投資しよう。

☆ シンプルかつ実直な決算開示の姿勢から、経営者の誠実性を見抜こう。


(ばへっと)

---
メールマガジン「投資家さん、会計の勉強しませんか?」より
http://www.mag2.com/m/0000151650.htm

posted by SHOJI at 18:38| Comment(1) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月15日

損失の連鎖。オリコと伊藤忠の話

今回は、最近話題のオリエントコーポレーションを取り上げます。


信販会社のオリコ、ただいま厳しいことになっている様子です。

オリコの今期決算は、巨額の赤字(純損失4,579億円)になる見込みとのこと。

グレーゾーン金利を規制する法律の影響です。

会社としては、改正貸金業法の完全施行を控えて、取りすぎていた利息の返還
に備えなければなりません

まあ、決算的には、いろいろあるわけですけれど、従来の予想では約400億円
の黒字を掲げていただけに、今回の業績予想下方修正は衝撃的でした。


ところで、今回のオリコ業績予想下方修正に伴って、伊藤忠商事まで損失負担
が拡大しています


これはなぜか?


結論からいって、オリコは伊藤忠商事の「関連会社」だからです。

伊藤忠はオリコの大株主(21%の持分を所有)だから、といういい方もできま
す。

経営を「支配している」、とまではいえなくとも、少なくとも経営判断に大き
な影響を与えうる立場にあるのです。


このことから、オリコは、伊藤忠商事が形成する企業グループの一員といえま
す。

ですから伊藤忠は、その企業グループ全体の業績を、決算に反映させるために、
グループを構成する企業(群)の損益を取り込まなくてはならないのです。


今回のキーワードは「関連会社」と「持分法」です。

「持分法」とは、関連会社の業績を連結決算に取り込むための、簿記会計の手
法です。

親会社の支配下にある子会社ではなくとも、ある程度以上の影響力のもとにあ
る会社(今回のケースでは伊藤忠商事のもとにあるオリコ)は、連結決算に反
映させる必要があります。

具体的には、連結損益計算書にあらわれる、

「持分法の適用による投資損失(もしくは利益)」

がこれに当たります。


関連会社に対して、どれだけの持分を所有しているかによって、連結決算に反
映させるべき損益の額は変わってきます。


ところで、僕自身がある会社に興味を持った場合、投資する前の段階で、その
傘下にあるグループ企業にも注意の目を走らせるようにしています。

具体的には、「有価証券報告書」の中にある【関係会社の状況】を眺めておく
のです。

 企業情報 > 企業の概況 > 【関係会社の状況】(←ココ)

この箇所に目を通すことによって、その企業グループは、どんな企業群から構
成されているのかを概観することができます。


伊藤忠にとってオリコは、「持分法」を適用しなければならない関連会社です。

ゆえに、オリコの利益も、一部は伊藤忠の利益となるわけですが、損失ももち
ろん、持分相当分だけ、伊藤忠グループの損失として認識しなければならない、
ということになります。


今回のオリコ問題では、ドミノ倒し的に伊藤忠まで業績下方修正!とまではい
きませんでした。

伊藤忠は全体的に業績が好調で、従来の予想数値を据え置いたそうです

しかし、経営陣にしてみれば(もちろん株主にとっても)、その金額的なイン
パクトには冷や汗を流したことでしょう。


私たち投資家としても、親会社一社の単独決算だけを見ていては、本当の姿を
見あやまりかねません

「木を見て森を見ず」とならないためにも、企業グループ全体を視野に入れて
(すなわち連結決算を読み解いて)、健全な意思決定・投資判断を下していき
たいものです。

(ばへっと)


<追伸>

ところで、有価証券報告書ってどうやって手に入れれば良いのでしょうか?

いまや便利な世の中で、今すぐしかも無料で手に入れることができます。

その方法は、「有報セミナー試聴コーナー」(もちろん無料)で詳しくお伝え
しています。

興味がおありの方は、こちらから → http://www.1toushi.com/yuho/

---
メールマガジン「投資家さん、会計の勉強しませんか?」より
http://www.mag2.com/m/0000151650.htm
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2007年02月20日

投機から投資へ。個人投資家、意識の変化

こんにちは。ばへっとです。

週末は、古新聞の片付けがてら、興味を引いた記事の切抜きをしていました。

普段、目を引いた記事や、おや?と思った記事には、新聞のミミを折っておく
ようにしているので、そういったページをパラパラと見ていくわけでが・・・

1ヶ月前の日経新聞に載っていた記事が、なにやら示唆的な内容でしたので、
今回はこれを取り上げて、ご紹介したいと思います。


取り上げますのは、特集連載記事『ライブドア・ショック1年 市場は変わっ
たか』の第2回です。


日経新聞社が行ったアンケートの集計結果をもとにしたものなのですが、そこ
からは、個人投資家たちの、投資に向かう姿勢に大きな変化を見て取ることが
できます。

「投資家として、あなたは何を重視するか?」

以下の項目から、あなたが重視する視点を選んでみてください。


・売買必要額の低さ

・配当の水準

・経営者の資質

・財務体質

・事業内容

・値動きの良さ

・利益の成長性



いかがでしたでしょうか?

では、結果です。

1年とちょっと前に行われた同様のアンケートによれば、


「投資家として、あなたは何を重視しますか?」

との問いに、こんなこたえが出てきました。


1位.利益の成長性(72.8%)

2位.値動きの良さ(46.1%)

3位.事業内容(36.6%)


・・・と続きます。


さて、それから約1年後の現在、個人投資家が重視する視点に、微妙な変化が
現れました。

今回行われたアンケートの結果とは・・・


1位.利益の成長性(59.0%)↓down(前回は72.8%)

2位.財務体質(54.6%)↑up(前回は37.7%)

3位.経営者の資質(41.4%)↑up(前回は28.9%)


・・・微妙といいますか、ずいぶんと変わったものです、質的に。

前回、2位につけた「値動きの良さ」なるものは一転、現在は18%にまで
急降下、下から2番目に位置を移しています。

思うに、ライブドア・スキャンダルに代表される、株式市場を襲った衝撃が、
私たち個人投資家の、投資に対する考え方を大きく変えたのではないで
しょうか。

ある意味、ショック療法です。

市場価値の喪失、というネガティブな衝撃が、私たち個人投資家のパラダイ
ム・シフト(価値観・世界観の転換)をうながしたともいえそうです。


・・・いずれ大勢の投資家が、決算書を手に、長期的視点で投資を実践する
日が必ずやって来る。


そう信じて、楽しい投資研究所を設立したのが3年前のことです。

そんな立場の者として、今回の記事(アンケートの結果)は、実に感慨深いも
のがありました。

いろいろあっても、物ごとは、総じて良い方向へ向かっているみたいです。

そしてこの潮流の中でも、特に、このメルマガをお読みのみなさんは、


「投資家として、会計の勉強もしておいた方が絶対いいよな・・・」


と思っていらっしゃるわけで、

私がいうのもなんですが、正直、鋭い感性をお持ちだなぁ、と思うのです。

事実、成功し続けている投資家たちは、決算情報を非常に重視しています。

なによりもその結果として、本当に優れて魅力ある企業が現実面で、資金的に
も経営判断の面でも、大きなサポートを得られています。

そしてこのことが、結果として、めぐりめぐって、僕たちの生活をより豊かで
便利なものにしてくれています。

ただセンセーショナルな話題だけで、株価が乱高下するといった状況は、現実
の企業活動にも、少なからぬ悪影響を及ぼしかねません。

(企業業績の変動、株主資本の変動、その結果として、経営判断のゆがみ、と
いった面で、です)

結局のところ、僕たち個人投資家ひとりひとりが、健全な意思決定を重ねるこ
とで、この世界を豊かなものにしていくことができそうです。

そう考えれば、なんと素敵で尊い行為なのでしょう、投資というものは!


投 機 市 場 か ら 、 投 資 市 場 へ


今の日本は、この動きが特に顕著であるように思えてなりません。

この流れに合ったコンテンツを、これからも楽しい投資研究所はお届けして
いく所存です。

どうか期待なさらずに(期待は失望の温床ですので)、楽しみながら
お付き合いいただけましたら、幸いです。


なんだか所信表明っぽい結びとなってしまいましたが、楽しい投資研究所の
基本姿勢ということで、改めてお話しさせていただきました。

というわけで、今回のメルマガはこの辺で。

ばへっとでした。


(追伸)
一昨日、インターネットラジオ(ポッドキャスティング)の最新版を配信
しました。

楽しい投資 Podcast の最新号、

今回は、「次は超円高?日本発の波乱要因」と題してお送りしています。

こちら↓からお聴きいただけますので、ご興味がおありの方は、ぜひどうぞ。

"楽しい投資 Podcast"
http://1tpc.seesaa.net/

(iPod で聴くこともできますよ)

---
メールマガジン「投資家さん、会計の勉強しませんか?」より
もっと読みたいなあ、という方はこちらから
→ http://www.mag2.com/m/0000151650.html
posted by SHOJI at 08:34| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月27日

10年で投資資産を1億円に(ばへっとのお悩み相談室)

さて、先日告知しました「簿記会計セミナー」を申し込まれた方から、
メッセージをいただきました。

今回はそれを取り上げて、お送りします。

 (参考)「簿記会計セミナー」の詳細についてはこちらから
  http://www.1toushi.com/bok/

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【いただいたメッセージ】
現在50歳です。去年から株を始めました。
タバコ屋を経営しており、年収は170万円程度です。
当然、この程度の年収では生活費をまかなうことはできません。
ですから、両親が残してくれた貯金を取り崩して生活をしています。

10年後には、年金が入り始めるはずです。
公的年金個人年金を合わせて、ある程度の額の年金が入るはずです。
(月額、10万を超える程度?)

そこで、10年後には、年金プラス株の利息(配当)で生活したいと
考えています。
タバコ屋は、やめたいと思っています。

そこで、10年間生活費を取り崩せるだけの貯金を残し、
残りの資産を株につぎ込み、現在1千万円程度を運用しています。

年金の不足分を株の配当でまかなうためには、株の資産が最低で
1億円程度必要と考えています。
したがって、今後10年で株式資産を10倍にしなければなりません。
それができなければ、10年後もタバコ屋をやめず、年金プラス
タバコ屋の収入で暮らす事になると思います。

このような人生設計、間違っていますでしょうか?

(Wさん 関西地区在住 50歳 男性)
---------------------------------------------------------------------

【ばへっとからのご回答】

こんにちは。メッセージをありがとうございます。

まず、最初に謝っておかなくてはなりません。

ごめんなさい。

私ごとき若輩者が、あなたに助言することなどできないのです。

ただ、もし私があなたの立場にあったとしたら、どう考え、どう行動するか、
ということを考えてみました。

今回はそのことをお伝えして、ご回答とさせていただきたいと思います。


■第一に、焦ってはなりません。

焦りは、長年かけて積み重ねてきたものを、一瞬にしてぶち壊しにする
破壊力を持ちます。

どんな場面であっても、最初になすべきことは、深呼吸して気持ちを
落ち着かせることです。

焦りは、さらなる焦りをもたらすものでしかありません。

ところで、あなたからいただいたメールの中で、もっとも感心したのは
この箇所です。

---------------------------------------------------------------------
そこで、10年間生活費を取り崩せるだけの貯金を残し、
残りの資産を株につぎ込み、現在1千万円程度を運用しています。
---------------------------------------------------------------------

10年間という投資のための時間を自ら作り出しているのですね。
すばらしいです。

生活資金の確保は、投資家の余裕ある意思決定を担保するものです。

この余裕が、投資の意思決定をより健全なものとするはずです。

余裕のない投資家は、常にせっぱつまった状態に追い込まれるものであり、
そのような心の状態では、健全な意思決定はきわめて難しいものとなって
しまうでしょう。


■第二に、目の前の仕事に全力で当たってください。

自営業とは、つらく孤独なものです。

私自身がそうですから、あなたの痛み苦しみは想像に難くありません。

そんなつらい仕事に喜びを見出すことができるようになったきっかけの言葉が
あります。それをご紹介させてください。

それはこれです。


 「目の前に起こる出来事はすべて必要・必然・ベストである」


どんな悲しい出来事も、何らかの学びの機会として私たちの目の前に現れる
のだそうです。

そして必要な学びや気づきを経て後、出来事がもたらした問題は、霧が晴れる
ように消えるといいます。

そしてもうひとつ


 「人生においては、毎瞬が最高の学びの舞台」


行き詰まりを感じたとき、私はこう自問するようにしています。

「今ここで、私はいったい何を学べるのだろう?」と。

すると不思議なことに、物事は好転し始めるのです。

経験上、例外はひとつとしてありませんでした。

仕事がうまく回りだすと、収入も増えます。

生活費を除いた余分なお金は、追加投資に回すのです。

追加投資は、偉大なる投資作業であると実感します。

月々わずかな額でも、数年後、数十年後には巨額のリターンとなって返って
きてくれるからです。

仮に1,000万円を10年間投資し、年率21.2%(私の過去の実験に
よる利回り実績です)で運用できたとしたらどうなるでしょう?

あなたは10年後、投資資産6,839万円を手にすることになります
(複利のパワーです!)。

そして1億円という数字は、その2年後に達成されることになります。

たしかに、結果を保証することはできません。

ですが、これだけパワフルな複利の力があなたに働くであろうことは、
確実なのです。


■第三に、自分が良く知る分野(だけ)で、勝負してください

「勝負」という表現は最適とはいえないかもしれませんが、少なくとも投資
するビジネスや企業のことは、深く知っておかなければなりません。

さもなければ、過大なリスクに押しつぶされるだけだからです。

逆に、深く理解しているビジネスの場合、背負うことになるリスクは極小化
されます。

「リスクとは、自分が何をやっているのか分からないときに生じるもので
ある」

これはバフェット氏が、個人投資家に宛てた言葉です。


■最後にお願いです。決算書を読んでください。

企業・ビジネスの実績を知り、そこから一歩踏み込んで、経営者の誠実性を
測ってみてほしいのです。

どんなに優れたビジネスを持った企業であったとしても、経営トップが不誠実
であれば、すべてがひっくり返ってしまいます。

そんなところには決して投資してはならないし、関わってもいけないのです。

来月お届けすることになる「簿記会計セミナー」の真髄は、単に知識を学ぶ
だけの味気ないものではありません。

決算書の数字から、経営者の誠実性を見抜くその具体的方法論をお伝えする
ものです。

財務分析ももちろんけっこうなのですが、経営者の誠実性という問題は、
その数百倍、大事な問題であると考えています。

私の知る限り、そのことに言及する人は数えるほどしかおらず、しかもその
見分け方について論じている人は、私の知る限り皆無です。

なぜでしょうか?・・・それは謎です。

であれば、仕方がありません。私が自ら口を開くしかないようです。

そんな思いで、作り上げつつあるセミナーです。

どうか来月を楽しみにお待ちください。

(ばへっと)

【追伸】
また、追加の質問などありましたら、メールをお送りください。

必ずしもご回答を約束することはできませんが、時間の許すかぎり、
(HPやメルマガを通じて)お応えしたいと思っています。

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● 情報がないのではない。今そこにある情報に気付かないだけ
● 決算書に記された数字の向こう側に見えてくるものとは?
● 論理を超えた直感力を目覚めさせる方法
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 真に重要な情報は隠れている
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posted by SHOJI at 20:26| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月22日

「自社株取得枠の設定」という情報の話

ばへっと です。

私が愛読する新聞は日本経済新聞ですが、なかでも特に注目している記事、
というかコーナーがあります。

「投資・財務」面のすみっこに小さく掲載されている

「自社株取得枠設定」

という箇所がそれです。

ここは、企業が自社の株式を市場から買い取る意思決定をしたよ、という
ことを伝える記事です。

自社株を取得するとは、どういう意味を持つのでしょうか。

そのテーマについては、以前詳しく触れたことがあるので、興味がおありの方
はこちらを参照していただきたいのですが・・・

※'06.3.26号 「自社株買いって何ですか?」
http://blog.mag2.com/m/log/0000151650/107099052.html?page=2


要するに、「これくらい安く買えるんだったら、うちの株式買い取ります
よ!」

ということを、その会社の経営陣が決めたということを意味します。

株式とは、企業の持分を細分化したものであるワケで、これを安く買い取る
ことができれば、それだけで既存株主の持分をより豊かなものにする
(株式価値を上げる)ことができるのです。

他の誰よりも会社のことを深く知る立場にある経営陣が、

「いまの株価水準は十分に安いぞ」

と判断したということは、私たち一般投資家にとっても、非常に貴重な情報と
いえるのではないでしょうか。

ちなみに当の「自社株取得枠設定」欄には、

●総額いくらで、

●何株を取得するか

という情報がシンプルに掲載されています。

たとえば 1月20日 のこのコーナーには、

サーラ(この会社のことを私は全く知りません。あくまで例です)という
会社が、自社株20万株を1億2千万円で取得する、ということが記されて
いました。

このことはつまり、この会社の経営陣は、600円(=1億2千万円÷20万
株)だったらウチの株価は十分安いと、考えているということです。

ここに、私自身の注目する会社の名前が出てきたときが、ワクワクする瞬間
です。

そんなときは、さっそく決算書(特に有価証券報告書)を取り寄せて、吟味
することになるでしょう。

ところで有価証券報告書の中にも、「自己株式の取得等の状況」という箇所が
あり、ここからは、過去の自社株買いの実績を知ることができます。

「うちの株価は安い」なんて嘆く経営者はよくいますけれど・・・

だったら自社株買いという行動を取ればいいだけのことです。

口先だけでなく、行動の伴う経営者をこそ、投資するに値する人物であると
考えます。

なので、私はそういう経営者をこそ好ましいと思うのです。

(ばへっと)
posted by SHOJI at 09:07| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月21日

経営者の役割、投資家の責任。日航再建策に物申す

今回は、私の学生時代のお話から入ります。

ときは大学4年の折、私は仙台の安アパートで机に向かっていました。

就職活動はせず、会計士試験の受験に備えて、模試と独り格闘中です。

まぁ、それだけの覚悟を持って、受験に臨もうとしていたわけですが、
そんな私を尻目に、友人たちは続々と内定を固めていきます。

あせりを感じなかったかといえば、もちろんウソになります。

・・・そんななか、一本の電話がありました。

出てみると、国内のとある航空会社からです。電話の要件は・・・?

「パイロットになりませんか?」

というもの。


  パイロット = 超エリート、超モテモテ、しかもお金持ち


・・・今にして思えば、情けないほどの連想能力ですが、そんなイメージが
頭の中を駆けめぐった私です。

で、思わずこう応えました。

「・・・(パイロットに)なります」

(おいおい、会計士はどうする?)

当時を思い出すに、思わず突っ込みを入れたくなってしまいますが・・・

当時在籍していた東北大学 合気道部の尊敬する先輩たちが、毎年のように
パイロットとなって羽ばたいていく姿を見ていただけに、とうとう自分にも
その順番が回ってきたか!と意気揚々としたことを、憶えています。

そしてその結果は、筆記試験はパスしたものの、はるばる羽田までおもむいて
の面接&心理テストにおいて見事に玉砕。

普通はその辺で落とされることはないはずなのですが、なにをどう間違えたの
か、私のパイロットへの道は早々に閉ざされてしまったのでした。

今にして思えば、パイロットでなく、公認会計士を目指して歩き、幸いにも
そっちの試験には何とかパスできたがゆえに、現在の私がいるわけで。

だからこそ、みなさんにこうして「投資家さん、会計の勉強しませんか?」
なんていうメールマガジンを配信できたりもするわけで。

ふり返って見れば、なるほど人生に起こる出来事はたしかに必要・必然そして
ベストといえるのかもしれないなあ、なんてことをふっと考えさせられたりも
するものです。


前置きが長くなってしまいましたが、そんなわけで、航空業界は私自身、
少なからず、思い入れのある業種といえます。

そして今、わが国日本の航空業界におけるリーディングカンパニー、日本航空
が再建の途上まっただ中にいます。

昨年11月、日航の社長は自ら、「いま日航グループは危急存亡のとき」と
社員へ呼びかけたといいます。

再建へ向けての、経営陣の強い意気込みが感じられる話ではあります。

で、当の日航経営陣が、これまでに打ち出してきた主な再建のための具体策は
次のようなものでした。

・人員削減△3,000人(計画)

・路線の見直し・再編 → 約十路線の運休(計画)

・商品力の強化 → 国内線にファーストクラス導入(計画)

・・・そして、保有する資産の売却、です。


日航の経営陣が、再建策のひとつとして積極的に行っている保有資産の売却が
少々、気になるところです。

日航は、保有しているホテルなどの売却処分を通じて、今期(2007年3月
期)の業績に約200億円の「売却益(特別利益)」の計上を見込んでいます。

さらに今年に入ってからは、厚生年金の代行部分返上によって、約250億円
の「代行返上益(特別利益)を確保するメドがついた」との報道もありました。

これらの結果、今期の目標としている30億円の連結最終黒字が達成可能と
なる、とのこと。


たしかに、事業の選択と集中、本業に関係の薄い資産の処分といった意思決定
は、尊重されてしかるべきものです。

ただし、持っている資産を処分して、その売却益でもって利益をかさ上げし、
目標達成!だなどと語られたとしたら、どうでしょうか?

もし私が株主の立場にあったとしたら、首をかしげざるをえません。

そんな一時的な「特別利益」の捻出で、目標利益を達成したところで、それは
経営陣の能力とは別物といっていいはずです。

航空業界の経営環境が厳しいのは分かりますが、

「今期の本業の利益が予定を下回る場合、追加の資産売却で黒字を達成する
考え」

などという点も、私の疑念に拍車をかけます。

こんなことを本当に、日航の経営陣は考えているでしょうか?

いささか理解に苦しみます。

「単なる見せかけの利益を捻出して、株主や投資家、債権者をけむに巻こうと
しているんじゃないかしら」

なんていう邪推も、ついついしたくなるというものです。

ところで、企業の業績を表す決算書のひとつとして「損益計算書」なるものが
あります。

そこには、本業たる営業活動によって稼ぎ出した「営業利益」と、営業外の
活動による損益も含めて算出された「経常利益」、そして特殊・一時的要因に
もとづく損益(特別利益・特別損失)そして税金費用なども踏まえて算出され
た「当期純利益」と、種々の利益が掲載されています。

利益算出のプロセスを川の流れにたとえれば、

最上流に「売上高」があり、下り下って、すべての損益要因を取り込んで後、
最下流に位置する「当期純利益」が姿を現すという流れになっています。

資産売却や(厚生年金)代行返上益のような特殊要因に基づく利益は、最下流
に近い特別損益項目に現れることになります。

こういった部分を見逃さずにおいてこそ、

果たしてその企業が手にした利益は、本業の地力によるものなのか?
はたまた特殊要因によってかさ上げされた利益なのか?

を、見抜くことができるというものです。

「見抜く」という表現を使うのもどうかと思えるほどに単純極まりない事柄で
はありますが・・・

メディアなどでしばしば「○△社の純利益倍増!」などと報じられるのを見る
につけ、そんな結果よりも、どういうプロセスを経て「純利益」が生み出され
ているのか(作り出されているのか)を知っておくことの方がずっと大切なん
だよなぁ

と、ことにつけ思ってしまうため、この機会にこんなことを書いてみました。

日航の経営陣が、何を目して経営判断を下しているのか、正直、彼らの心中を
読み解くことまではできません。

ただ、メディアが報じる経営陣の言葉の端々に、少々の危うさを感じるのもた
しかです。

なにはともあれ、私たち投資家にとって大切なことは、

その利益は、企業の地力に基づく利益なのか?
それとも単なる見せかけだけの利益なのか?

落ち着いて見極めることでしょう。


投資家の目が節穴のままでは、心ない経営者になめられてしまいかねません。

そうならないためにも、私たち投資家ひとりひとりが賢明な意思決定を行
う必要があると思うのです。

そしてそういった行動を通じてこそ、市場を通じたコーポレートガバナンスが
機能するわけであり、日本経済ひいては世界経済全体の健全な成長と発展に
結びつくはずです。

・・・新年一発目、少々大きく出たところで、締めたいと思います。

そんなこんなで、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ばへっとでした。
posted by SHOJI at 12:57| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月20日

日興さん家の稼ぎの話

こんにちは。ばへっと です。

今回はちょっとした小話をお届けします。



日興さん家にはふたりの子供がいます。

お父さんの日興さんは、ふたりの子供にふたりで賭けをするように言いつけ
ました。

賭けの内容は単純、競走馬ベルシステムオーが勝つか負けるかふたつにひとつ
です。

お兄ちゃんの優介君はベルシステムオーが勝つほうに、弟の持郎(じろう)君
は負けるほうに賭けました。

結果はベルシステムオーの勝利。

お兄ちゃんの雄介君は掛け金を受け取りホクホク顔、弟の持郎君はくやしそう
です。

ところで日興さんちには、毎年、その年のお金の出入りについておじいちゃん
に報告するという習慣がありました。

2006年度、お父さんの稼ぎは手取りで700万円、プラス優介君の稼ぎ300万円で、
一家の合計1,000万円の利益であるとの報告が、おじいちゃんのもとへ届けら
れました。

驚いたのはおじいちゃんです。

「優介はいつの間にそんなに稼ぐようになったのか?」

お父さんはこう答えて言いました

「優介と持郎に賭けをさせたのです。
結果、優介が300万円勝ちました。だからその儲けを加えたのです」

当然、おじいちゃんは首をひねりながら尋ねました。

「それはつまり、持郎が300万円損したということだろう?どうしてそれを
外すのかね?」

お父さんは、しれっとこう答えました

「持郎はたしかに300万円損しました。
ですが、わが家にとって、持郎は『重要性が低い』のです。
なので我が家の決算報告からは除外しました。
これは監査人の青山さんからも適正とのお墨付きをもらっています」

・・・おじいちゃんは静かに、お父さんを勘当する手続に入りましたとさ。



ベルシステム株の値動きに連動したデリバティブ取引その他の不正な手口で、
利益を水増しした日興コーディアルグループが激震に見舞われています(と
いうか震源地になっています)。

「連結の範囲」をどう考えるか、これは連結決算に少なからぬ影響を及ぼしま
す(当然、利益にも相応のインパクトを与えます)。

投資家として、株主として、この情報をどうとらえるか?
これも大事な論点です。

このテーマについても、そのうち詳しく取り上げたいなと思いますが、今日の
ところはこの辺で。

(それ以上に経営者の誠実性が決定的に重要なのですけれどもね!)

ばへっと でした
posted by SHOJI at 07:31| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月03日

USEN 決算発表に見るニュースの「本質」

海の向こうでは株価が下げてます。

>米国株、ダウ平均5日ぶり反落、73ドル安――ナスダックは28ポイント安
>27日のロンドン株は続落、6160.9で終了 [ Nikkei Net/'06.10.29 ]

この流れで行けば、週明け日本も下げ方向かな?
なんてことをHP巻頭コラムに書いていたら、ほんとに下げました。

けれどそんなことを気にしてもしようがないですし、私自身、ぜんぜん気に
しません。

だって株の売買をする人がどう考えようと、企業活動の実態・本質は
(そんなに)変わるはずもないわけですからね!

さて、本編です。

■ [1] USEN 決算発表に見るニュースの「本質」

先日、株式会社 USEN の業績発表がありました。

2006年8月期の当期純利益(連結ベース)は△88億円の赤字だったとのこと。

当初の業績予想を大幅に下回るこの数字に、市場も相応の反応を示しました。

なぜこのような結果になったのか?

日経新聞ほかマスメディアの報じるところによれば、

「監査法人(トーマツ)が突如、会計処理方針を厳しくした」(決算発表に
臨んだ USEN 常務・談)

のが、その理由だそうです。

へぇ〜

少々興味を覚えたので、さっそく会社が公表した連結損益計算書(H18年8月期
決算短信)を眺めてみました。


 ※USEN IRライブラリ → http://www.usen.com/ir/library/


USEN の短信を開きながら、私が抱いた問いは、

「大幅な業績下方修正の主な要因はなんだったのか?」

というものです(決算書を読む際、「問い」の設定はとてもとても大事です)。

読み進めていく中で、パッと目に付いたのは、連結損益計算書の後半に延々と
書きつらねられた「特別損失」項目でした。

巨額のものだけを拾い読みしても・・・

・電柱改修等引当額 58億円
[注] 近い将来、電柱の改修に必要となる費用を見込んだコスト。

・減損損失 51億円
[注] 主に子会社買収プレミアム「のれん」の価値が認められないとして評価
を切り下げられたことによる損失処理額。おそらくその大部分は、子会社
ギャガ・コミュニケーションズに関連するもの。

・固定資産除却損 28億円
[注] 建物や機械の処分にかかったコスト。

・不要電線撤去費 22億円
[注] 有線放送を衛星放送へ転換するため、不要となったケーブルの撤去費用。

・投資有価証券評価損 16億円
[注] 株式や債券の評価を切り下げたことによる損失。


しかし同時に、特別利益も 186億円と大きな数字が計上されています。
[注] 主に投資有価証券売却益 92億円と、関係会社株式売却益 84億円。

巨額の特別損失に、特別利益をぶつけて、なんとか相殺効果を図りたいとの
思いがあったのだろうと推察。

しかし、この程度では焼け石に水といったところ。

そもそも、営業利益率が前期に比べて、大幅に低下(6.2% → 1.9%)して
いる点も見逃せません。

「販売費及び一般管理費」が前期比70億円増が重くのしかかりました。
[注] 広告宣伝費の負担増が効いたもよう。


ところで USEN 経営サイドは、

「従来の会計処理なら予想を上回る利益水準だった」

と、不満を隠さないようすだったとか。(日経/'06.10.20)

前述のように、損益を眺めてみるだけでも、監査人(監査法人)が、厳しい
態度で決算に臨んだということが見て取れます。

おそらく、決算発表のぎりぎりまで、経営陣と監査人との間で、緊張感たっぷ
りのやり取りがあったであろうことは想像に難くありません。


ただ、投資家としての、もしくは、それ以上の長い期間に渡る会計監査人とし
ての、私の経験からいわせてもらえば、企業が、その内に抱える損失を吐き出
すことは、決して悪いことではありません。

むしろ多くの場合、やがてポジティブな結果をもたらすものといえます。

今のうちに厳しく資産価値を切り下げておけば、翌期以降の決算は(本業のビ
ジネスが順調でさえあれば)回復の可能性が高くなるのは、自明のことです。

今回の厳しい決算は、重い足かせを切り離し、負の遺産を処分したという見方
も十分にできるはずです。


会計の本質とは、企業のありのままの姿を、株主ほか利害関係者(ステークホ
ルダー)に知らしめることです。

決して、表面をとりつくろうことじゃありません。

業績が良くとも悪くとも、できる限りありのままに、真実の姿を白日のもとに
さらし、そこから先は、個々の投資家の判断に委ねることこそ、企業会計に求
められる姿です。

今回、USEN が直面した厳しい決算は、ある意味過去に蓄積されてきたウミを
総ざらいする良い機会であったともいえるでしょう。


・・・ただ、決算短信のそれ以外の部分を眺めるに、

粗利率の低下(47.6% → 40.8%)や、

先にも述べた販管費の増加、

そして前期に引き続き、営業キャッシュ・フローが△2億円とマイナスだった
り、

前期に引き続き△462億円の投資キャッシュ・フロー負担が必要だったりと、

楽観するのはまだまだ早いようにも見受けられます(個人的に応援はしたいのですが)。

これらのネガティブな要因がクリアされて初めて、私自身としては、投資先候
補リストに名前を挙げることでしょう。USEN には、これからもがんばってほ
しいものです。

(ばへっと)


[ 今日のポイント ]

☆自分の眼と頭で企業自身を読み解こう

☆数字の裏側にある経営陣の思惑を読み取ろう

☆ストーリーを読み解くように、決算情報を眺めよう


(メールマガジン『投資家さん、会計の勉強しませんか?』より)
 当メールマガジンのご購読はこちらから。無料ですよ。
   http://www.mag2.com/m/0000151650.htm
posted by SHOJI at 06:35| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月20日

キャノン vs ソニー、経営指標を常識的に見る強み

昨日 (10/18) の日経新聞、投資・財務欄に「米株高 日本株はどう動く」と
いう記事が掲載されていました。

その内容は、過去最高値を更新したNYダウ、これに対して日経平均株価は今年
の高値にも届かない、どうした日本!というものです。

なるほど日本という国を総じて眺めてみれば、いまだバブル期の負の遺産を
引きずっているように見えなくもないでしょう。

それどころか、粉飾決算に代表されるモラル・ハザード(倫理の問題)に
対する懸念は、いっそう高まっているようにも見えます。


ところが!です。

キャノンや武田薬品、といった一部の企業に目を転じてみると・・・

これらの企業の時価総額は、実はすでにバブル絶頂期の1,989年当時のそれを
すでに上回っているのです。

「やるべきことをやっている企業は、ちゃんと株価にあらわれている」

とは、新光証券のストラテジスト・瀬川氏の言。

私自身が注目する指標で、比べてみました。


以下、左から順に、
会社名, 5期平均ROE, 株主資本比率, 5期平均FCF(億円) です。
( FCF は 営業CF - 投資CF にて算出)

[ 時価総額が増加した主な銘柄 ]
キャノン 14.7% 64.4% 2,221億円
武田薬品 17.0% 77.2% 3,089

[ 時価総額が減少した主な銘柄 ]
ソフトバンク -18.5% 13.4% -386億円
ソニー 4.0% 30.2% -1,533

(各社直近の有価証券報告書から ばへっと が算出しました)


時期的に特定業種がバブルだった、という点も忘れてはならないのでしょう
けれど、今回とり上げた会社に関していえば、当初の予想以上に「かくあれ
かし」といった感じで、データを眺めるに、興味深いものがあります。


ウォーレン・バフェット氏の投資スタイルは、マクロな事象を気にすることは
まったくといっていいほどないようです(氏自身もそう語っていますが)。

ただひたすらに、優れたビジネスを営み、優れた経営者が率いる企業をミクロ
な視点で見極め、妥当な価格で買収するだけ、なのだそうです。

個別銘柄に投資するスタイルの投資家にとっては、日本経済全体の動向を憂え
るよりも、個々の企業の本当の姿、「真実の姿」を見極めることこそが、決定
的に大切なのだ、という風に、私自身は理解しています。

およそ当たり前の、常識的な経営指標を見ておくだけで、その結果は大きく
異なったものとなってくるはず・・・という直観は、なかなかに正しそうに
思えるのですがいかがでしょう?
posted by SHOJI at 06:15| Comment(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月11日

決算書を今すぐしかも無料で手に入れる方法

こんにちは。楽しい投資研究所のばへっとです。

今朝は3時に目が覚めました。早朝は本当に静かで仕事がはかどります。

・・・しかし我ながら、いくらなんでも早起きしすぎだと思います。
たぶんあとで眠くなることでしょう、猛烈に。

睡魔に襲われるその前に、「投資家さん、会計の勉強しませんか?」をお届け
したいと思います。


楽しい投資友の会・会員の方からお手紙(メッセージ)をいただきました。
---------------------------------------------------------------
いつも参考にさせていただきありがとうございます。
ウォーレンバフェットの本を最近、勉強させていただいています。
基本的な質問で大変申し訳ないのですが、それぞれの会社の決算書は、
どのように入手すればよいのでしょうか?よく決算書を取り寄せると
いうような書き方を見かけるのですが、インターネット上で入手でき
ないものなんでしょうか?
お時間がございましたら、ご教示お願いいたします。
(A.Aさん 静岡県 40代 男性)
---------------------------------------------------------------
学びの意欲あふれるおたよりを、どうもありがとう!

勉強って楽しいものですよね。

特に、ムリヤリやらされるのではなくて、自分でやりたくってしょうがない
からやる勉強。

やりたいことだけやってたら人生はいくら時間があってもたりないぞ、
みたいな。

というわけで、今回は「決算書の入手法」というテーマでお届けいたします。


[ 決算書を今すぐしかも無料で手に入れる方法 ]

決算書にもいろいろあります。

いわゆる決算発表で大活躍の「決算短信」。

年に1回、株主総会の2〜3週間前に送られてくる「商法計算書類」
(総会召集通知に添付されます)。

決算日から3ヶ月後あたりで公開される「有価証券報告書(有報)」


一般に、公開されるタイミングとしては

決算日を迎えてから

1.決算短信 → 2.商法計算書類 → 3.有価証券報告書

といった流れです。

決算短信は、東京証券取引所などの証券市場が要求するものであり、
商法計算書類は商法が要求するもの、そして
有価証券報告書は証券取引法が要求するものです。

こうして改めて見ますと、いろんな法律に要求されまくりで、会社のほうも
楽じゃありません。

まあ(経営上の意思決定はともかく)実務面では、経理部門の人たちが、
次いでに監査人が、それなりに大変といったところ。

ところでこれらの決算書を手に入れる方法はといえば、


1.送られてくるまで待つ(商法計算書類)

2.会社のサイトからダウンロードする(短信・有報)

3.EDINET や東証のサイトで見る、もしくはダウンロードする
 (短信・有報)


1が一番ラクといえば楽ですが、ほうっといても送られてくるのは商法計算
書類のみです。

しかもそこで開示されている内容は、正直、質・量ともに、短信や有報には
かないません。

私の場合、商法計算書類は送られてきたそのときにざっと見て、総会決議案を
ながめるくらいですませています。

ところで、いまや上場企業のほとんどが、自社のサイト内に決算情報をアップ
してくれています。

いまさらいうまでもないことかもしれませんが、企業サイトでは IR情報 に
注目しましょう。

決算短信に加えて、有報もそっくりそのままダウンロードできる場合が少なく
ありません(たまに気のきかない会社があったりしてがっかりすることもある
ため、期待は禁物ですが)。

決算発表と同時に手に入れたい!というときは、東証の「適時開示情報閲覧
サービス」が便利です。


 ※東証適時開示情報閲覧 → http://www.tse.or.jp/disclosure/


会社の決算開示スケジュールをチェックして、ここで待っていれば、公表後、
最速で決算短信を手に入れられるはずです。


しかし、上記の中で、私が多用し、最も重宝しているのが 有価証券報告書で
あり、電子開示システム EDINET です。


 ※EDINET → https://info.edinet.go.jp/


EDINET は、ひとことでいって全上場企業の有価証券報告書データベース。

ひと昔前に比べて、かなり使い勝手が良くなりました。
個人的にはもう文句のないレベルです。

具体的な利用法は 有報セミナーの試聴バージョンに詳しいのでこちらを
ご参照ください。


 ※有報セミナー試聴 → http://www.1toushi.com/yuho/trial_yuho/


ちなみに、ひと昔前までは EDINET もなく、興味を持った会社の有報がほしい
ということになれば、大手の書店さんとか、政府刊行物センターで売っていた
有報の小冊子版「有価証券報告書総覧」を買うか、証券取引所に見に行くか
するしかありませんでした。

しかも「有価証券報告書総覧」、買えば 2,000円程度はしたものです。
(もちろん、価値的にはその価格をはるかに上回る密度の濃い情報が満載な
わけですが)

ところがいまや、インターネットの時代。

ネットにつなぎさえすれば、家にいながらにして、場所を選ばず、ときを
選ばず、どこからだって有報を手に入れることができるのです。

なんて便利な世の中、IT革命スバラシイ。

たまに新聞なんかで、まだまだ企業の開示する情報は不足しているなんて論調
の記事を見かけることもありますが、私にいわせればそんなことはありません。

たしかに100%満足、とはいかないまでも、かなり深く、つっこんだことまで、
決算書を通じて、上場企業は世に広く公開してくれているものです。

問題は、開示する側よりも、それを読み解く側にある場合が圧倒的に多いと
いっていいでしょう。

決算書は一見、無味乾燥なしろものです。

けれども、そこで使われている簿記会計のことばの意味を学び、そこに記され
た情報の結びつけかた(前号「企業生命体のストーリー」参照)を学べば、
おどろくほど多くの貴重な情報を、誰だって手に入れられるものです。


 ※決算書から読み解くべきもの、企業生命体のストーリー
 → http://bahette.seesaa.net/article/24978622.html


大多数の市場参加者が(益の少ない)チャート分析に時間をかけているその横
で、あなたが決算書を深く読み解いたらどうなるでしょうか?

彼ら投機家には見えない、いや見ようともしない、企業の真実の姿に迫ること
ができます。

そしてこのことは、投資家として、この上なく有利な立場に身を置くことでも
あるはずです。

かつてウォーレン・バフェット氏はこういいました。


『 まず、企業がどのように活動しているかを知り、そこで使われている用語
(財務会計や簿記の知識のこと)を学ぶ必要があります。

そしてある程度の情熱を持ち、辛抱強さや冷静さを身に付けてください。

特に辛抱強さや冷静さは、知能指数より重要かもしれないとわたしは思って
います。

この四点を満たせば自分の頭で考える力がつき、ときおり市場を襲うかもしれ
ない集団ヒステリーの悪影響も避けることができるようになります・・・ 』

 ※バフェットからの手紙 ローレンス・A・カニンガム著
 www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4939103218/katteshohyo-22/


簿記の仕組みと会計用語、これらを学ぶことは、投資家にとって、必ずや強力
な武器となるはずです。

目隠しをしたまま、市場の思惑に翻弄されるか、
目隠しを取り外し、企業そのものを見透すことを意図するか、

それは単に、選択の問題にすぎないのです。
posted by SHOJI at 18:22| Comment(2) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月06日

新作会社分析レポート予告

こんにちは。ばへっとです。

東京はこのところ(ようやく)涼しくなって、すごしやすくなりました。
早朝の散歩が心地よいです。

さて、いそがしさにかまけてずいぶん長いこと、「会社分析レポート」の
新作が出ていませんでした。

リクエストいただいているみなさん、ごめんなさい。m(__)m

この状態はさすがにいかんと思いまして、次の分析対象企業の決算書
(有報)を取り寄せたところです。


さて、次回に取り上げます会社とは・・・

6736 サン電子株式会社

といたします!


楽しい投資研究所が設けています会社分析リクエストのルールは、
「コメント(着眼点)の数だけ投票可」というものです。

※会社分析リクエスト → http://www.1toushi.com/votec.cgi

よって、投票数よりもコメントの多さを重視して、この会社を選ばせて
いただきました。

せっかくですので、(サン電子について)お寄せいただいたコメントを
いくつか、ご紹介しますね


・長期でみてますがちょっと不安になってきました (ぶたさん)
・指標的には割安だと思うが、成長性はどうだろう (匿名さん)
・PERでみると割安 (匿名さん)
・割安で財務も良いのに、最近ダラダラ下げ続けているので、是非分析を
お願いします! (あぁさん)
・クォンツリサーチ社分析では、成長性9、割安性10、財務健全性8です。
なのに下がる一方・・ (匿名さん)
・下方修正もしてないし、財務状態も健全 (匿名さん)
・財務健全、割安な割りにさがりつづけている。不思議。(piroAceさん)
・多岐に渡る経営内容がどう評価されるのか。パチンコ界ではマイナー勢力。
(watamacさん)


さすが、楽しい投資研究所の常連のみなさん、そんじょそこらの投機家さん
たちとは、目のつけどころがちがいます。

どうやらいつの世でも、

株式投資 = チャート分析

みたいな考え方が広く出回ってしまうようですが
コメントをお寄せくださってるみなさんの場合・・・

・長期で見ている
・PERに着目している
・財務内容、財務の健全度に心を砕いている
・経営内容の理解に努めている

と、まさに「株価ではなく、会社そのものを見ている」方たちばかりです。

こういった方々とお付き合いできるようになって、楽しい投資研究所を設立
して本当に良かった、と思いました。
主宰者として嬉しく、そして光栄です。


ところで、過去の会社分析レポートをご覧になっていただければ分かります
ように、私の会社を見る目、企業分析のスタイルは、きわめてシンプルです。


※会社分析レポート・ライブラリ → http://www.1toushi.com/library/
(スタイルシートを使ってまとめました。けっこうつかれた・・・)


すなわち、

・利益率ははどうか?
・資本効率はどうか?
・資産と負債のバランスはどうか?
・表面に現れない簿外の資産や負債はどうか?
・含み損はどうか?含み益はどうか?
・監査人はなんといっているのか?・・・などなど

決算書を通じてこまかなところまで執念深く見ている、というだけで、
目をつけるポイントは、ごくごく一般的なものにすぎません。

しかし、こういう基本的なところをきちんと押さえているか否かによって、
投資家としての思考の深み、会社を見つめるまなざしの透明度は、天と地ほど
も異なってくるのではないか、と感じます。

ところで、これを書いていてふと思いついたのですが
そのうち、これまでの分析事例も取り上げて、企業分析実践セミナー、なんて
ものをお届けできたらおもしろいかもしれませんね・・・


それはともかく、新作の会社分析レポートは、いつもどおり、楽しい投資
友の会・会員の方へ、一般に先駆けて先行公開させていただきます。


※楽しい投資友の会の入会手続はこちらから受け付けています
(入会金・年会費ともに無料、コストは一切かかりません)

楽しい投資友の会 → http://tinyurl.com/b3yv3


そんなわけで、次回の ばへっと特製!会社分析レポート(サン電子編)
をお楽しみに!

会社分析リクエストも、引き続き受け付けています。

ばへっと でした。
posted by SHOJI at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月27日

決算数値の向こう側。あなただけに見えてくるもの

こんにちは。楽しい投資研究所の ばへっと です。

先週は出張で、仙台に足を伸ばしてきました。

私が学生時代をすごした街、仙台。なつかしくも甘酸っぱい、そんな気分を
思い出しつつ、仙台の思い出の場所をひとり、楽しんできました。


そして、ふと気がつけば9月も下旬です。

半期決算を控えて、会計士業界ももうじき繁忙期に突入します。

決算書にうずもれる日々・・・これもまあ、なつかしいといっちゃあ、
なつかしいといえなくもありません。

多くのエネルギーと時間を費やして作成される決算書、これは投資家保護を
目的として、世に出される情報です。

投資家に、企業の実態を知ってもらうために、読み取ってほしいがために、
決算書は作られ、広く公開されるものなのです。


 決 算 書 を 読 み 解 く


これは、投資家なら遅かれ早かれ、いずれは直面せざるをえないテーマ
でしょう。

このメルマガを読んでくださっているみなさんは、その先駆的な存在である
はずです。


 投資のために決算書を読もう

 健全な意思決定をして高いリターンを手にしよう


そう考える投資家にとって、決算書は切っても切れない大切な情報源です。

ところが、決算書を読み込んで投資をしようとする投資家は、驚くほどに
少ないのが実情です。

いまや国内だけでも3万2千を超えるメルマガが発行されている現在、
当メルマガと同じテーマのメルマガが、ほとんどないというのも、
さびしいというかなんというか・・・

以前、私の知人(公認会計士)もこんなことをいっていました。

「株を買ったんだけど、決算書はまだ読んでない。なんだかめんどくさいから。
まあ、いきおいで決めた」

・・・どうやら、会計に通じているからといって、決算書を読み解くかどうかは、
また別の問題のようです。

なるほど、「めんどうくさいから」

これこそ、現在の資本市場に参加する大多数の人たちの正直な気持ちでは
ないでしょうか。

たしかに、一見、無味乾燥な数字の群れに面と向かうのは、それなりに
エネルギーを要することでしょう

数字アレルギーなるもの(?)を持っている方であれば、手に取ろうとも
しないかもしれません。

しかし、考えてみてほしいのです。

家を買うときに、はたして「いきおい」で買うでしょうか?

生涯の伴侶を選ぼうというときに、「思いつき」で決めるでしょうか?

家ならば、その間取り、設計、建築資材にいたるまでとことん吟味する
はずです。

一生のパートナーであればなおのこと、知りたいこと、知っておくべきこと
は、多々あるはずです。

個人的に私は、株式投資も同じようなものだと考えています。

私にとって、投資先企業とは、自分自身にとっての大きな資産であると
同時に、大切な恋人のようなものです。

だからこそ、一生つきあう恋人を選ぶような気持ちで、投資先企業を
選ぶのです。

そのために、決算書を、なかでも有価証券報告書を取り寄せて、内容を吟味
するのです。(EDINET ならタダで手に入れられます)

そのためには、多少の会計知識は不可欠です。

自分にとっては、さいわいなことに、これまでの10年にわたる会計監査の
経験がここでいきてきます。

監査の経験がここでいきるなんてことは、監査法人の一スタッフとして
(下っ端として)もがきあがきながら、それこそ馬車馬のように働いていた
頃には、想像もつきませんでした。

人生、なにがどう展開するか分からないものです。

まぁ、いろいろとつらいこともありましたけれど、数年、数十年を経て
ふり返ってみると、結局あの経験は、自分にとって最高にありがたいもの
だったということが少なくありません。

それはともかく、種々の会計の知識を駆使して、決算書を読み込んで投資を
重ねていく中で、気づいたことがいくつかあります。

そのなかでも最大のものはといえば・・・


 決算書の数字は大切だけれど

  「経営者の誠実さ、信頼度の高さ」こそ

   投資においては決定的に重要である


ということです。

経営者の誠実さや信頼度といったことがらは、バフェット氏を初めとして、
長期的に成功し続けている投資家がほぼ例外なく言及するテーマです。

・・・ではあるのですが、これを見抜くのは口でいうほどかんたんな
ことではありません。

新聞や雑誌記事のインタビューや、経営者自身の著書を読んだとしても、
たしかに参考にはなりますが、決定的なものを見出すのはむずかしいものです。

そういうパブリックな場面では、誰でも崇高なことばをおっしゃるもの
ですからね・・・

では、かれらの誠実さ、信頼度といったものは、いかにして見極めることが
できるのでしょうか?

私の答えはこれです。すなわち、


 会社の決算情報をとことん読み解く

  すると、決算の開示姿勢を通じて

   経営者の誠実性が、見て取れる(ということに気付く)


・・・のです。

必ずしもすべてがそうだとはいい切れないのですが、そういったケースが
圧倒的に多いというのは、私自身が体感する事実です。

決算書を深く読めば読むほど、そこに記された数字よりも大切なものがある
ということがわかります。

くり返しになりますがそれこそ、経営者の誠実さであり、信頼度の高さです。

そしてそういったことがらは、決算書を深く読み解く中でこそ、見えてくる
ものなのです。

「数字はウソをつかない」とは誤った考え方です。

表面にあらわれる数字を盲目的になぞっているだけでは、ときに粉飾行為
(合法であれ、非合法であれ)によって惑わされかねません。

それよりも、経営者の、株主に対する決算開示の姿勢を見つめることです。

そこにこそ、彼らの投資家に対する誠実さがセキララにあらわれ出てくる
ものです。

『 経営者の誠実性、信頼度の高さを見抜く方法 』

これは、また機会を改めて、取り上げたいテーマではありますが、長くなって
しまうので、今日のところはこの事実をお話しするにとどめて、筆をおきたい
と思います。


近日公開予定の新セミナー(仮称:投資家のための会計セミナー)でも
さらに深く掘り下げていく予定でいますので、どうかお楽しみに。

(ちなみに有報セミナーの中でも、この部分には多くの時間とスペースを
 割いています)

 ※有報セミナー → http://www.1toushi.com/yuho/

では次回の「投資家さん、会計の勉強しませんか?」でお会いしましょう。

ばへっと でした。


(メールマガジン『投資家さん、会計の勉強しませんか?』より)
 当メールマガジンのご購読はこちらから。無料ですよ。
   http://www.mag2.com/m/0000151650.htm
posted by SHOJI at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 会計と投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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